会社更生法の適用を申請した消費者金融大手の武富士は6日、東京都新宿区の日本青年館において、債権者説明会を開いた。過払い金の返還を求める人やその代理人、取引先の事業者ら約500人が参加。出席者によると、「怒号が飛び交うことはなかったが、過払い金返還に関する質問が相次いでいた」と話していた。
債権者説明会は、午後1時半に開始。20年以上も武富士と取引があり、同社に対し債権があるという東北地方の60代の男性は、説明会の開始前、「どのような形で(債務の)返済を行うかを確認するために来た」と説明。「過払い金の返還ももちろん問題だが、(武富士と取引があり債権を有する)事業者サイドとして、どれだけの支払いをしてくれるのか」と懸念を口にしていた。
さらに、「(支払い状況によっては)連鎖倒産が広がる可能性もあり、その場合、どういう形で補償をしていただけるかを明確にしていただかないと」と話し、「(債権は)過払い金返還の場合一人100万円程度のことが多いが、我々事業者の場合は1,000万円単位。明日以降に(自社が)向かっていく方向を決めなければ」と述べ、説明会の会場に向かった。
約1時間半経過後、説明会会場から出てきた、東京都内の弁護士事務所に勤める43歳の男性は、会場の雰囲気について、「怒号が飛び交うというような事はなかった」と説明。吉田純一社長のあいさつ、会社更生法申請に至る経緯説明の後に行われた質疑応答では、「12~13人の人が相次いで、過払い金返還に関する質問を行った」と話した。
「質問をしたうちの一人の方は、今年4月に、10月に過払い金を返済するという和解を行っていたのに、(返済が開始する前の)9月になって会社更生法を申請するというのは"出来レース"だ、と怒っていた」と述べた。
また、創業家の責任のとり方についても質問が出たといい、それに対する武富士側の説明は、「法的に創業家に対して責任を問うことが可能かどうか検討する」というものだったという。
男性が勤めている弁護士事務所では、約100人の過払い金返還訴訟を取り扱っている。今後の過払い金返還の方法についての武富士側の説明は、「武富士の財産と返還すべき過払い金などを全部洗い出して、(返還額に対する武富士の)財産の比率が10分の1であれば、返還額も10分の1になる」というものだったと話していた。
また、返還すべき過払い金の総額や、その対象となる人数については、「『相当数』というあいまいな言葉で表現し、具体的な数はなかった」と説明していた。