セゾン投信は2日、同社が運用する「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」の愛称を決める会議風景をUSTREAMで配信した。
同会議は、中野晴啓社長の私的諮問機関「アドバイザリーコミッティ」が定期的に開催しているもの。外部の有識者が集まり、セゾン投信、ひいては本当の長期投資を普及したいという思いが集積した熱い議論の場である。今回は、「"セゾンV" "達人F"それぞれ、一言でコンセプトが伝わる良い呼び名は?」をテーマに、初めて会議風景を公開した。USTREAM配信するにあたり、ハッシュタグ(#szt_dd)をつけてつぶやいてもらい、視聴者からの斬新なアイデアも受け付けた。
会議には、ファイナンシャルジャーナリストの竹川美奈子氏、中東・アフリカの専門家であり冒険投資家である石田和靖氏、晋陽FPオフィス代表のカン・チュンド氏、クローバー・アセットマネジメントの森本新兒氏らアドバイザリーコミッティメンバーに加え、"ダダ漏れ女子2号"の称号で知られる有名Twitterアカウントのそらのさんが参加。会議の模様は、そらのさんのアカウントにてUSTREAM配信された。
まず始めに、中野社長が「アドバイザリーコミッティ」について「会議には社員は2人しか参加しておらず、あとはすべて外部の方。私の大切な友人をメンバーに集まってもらっています。世の中に正しく長期投資を広めたいと思ってきていただいております」と説明。愛称については「親しみをこめたニックネームを楽しみにお待ちしています」と笑顔を見せた。
まず始めに、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の愛称を決める会議がスタート。「世界全体に分散投資、投資対象を株・債券に50対50にわけて投資」「とことん分散して世界経済(の成長)に乗る」という大まかなコンセプトを確認。中野社長は同ファンドを作った理由として「バンガードの会社理念に共鳴して、どうしても組みたかった。(米国・バンガード社の駐日代表である)加藤隆さんと、どういうビジネス、ファンド作りたいかで意気投合し、加藤さんが『アメリカを説得するよ』と言ってくれた。お互い頑張ってできあがった商品」と述べた。さらに同商品の対象者層として「バンガードといえばインデックスファンドだが、これ1本ですそ野を広げられる商品。(投資信託の)オタクやセミプロではない人をイメージして作っている」と話した。
カン・チュンド氏は「株と債券の割合を50:50にしたのは思い切った配分。債券メインにと思いがちだが、こういう配分でいこうというのはやりとりあったのか」と尋ねると、中野氏は「実際、バックテストしてあんまり変わらなかったというのがある。運用の仕事をしている人はきっちりコンセプトを組まない。アセットアロケーションする時もこの銘柄は○%じゃないとならないという根拠はない。根拠がない中、みんなが納得しやすい根拠として50:50がいいのではないかという結論に至った」と答えた。そうした発言を受け、メンバーからは、株と債券の割合に関連して「50:50」「ハーフアンドハーフ」といった愛称も案として出された。
森本氏から「既存のバンガードは意識した?」と質問を受けると、中野氏は「(バンガードの)最高のインデックスと(セゾン投信の)最高のアロケーションが組み合わさった商品になっている」と説明。さらにカン・チュンド氏から「(同ファンドはバンガードの8本のインデックスファンドを組入れているが、組入れる際に日本の債券や株を)特別視しなかった理由」について中野氏は「日本人のファンドなので日本(の株や債権など)を多く(組み込む)のは一つの考え方。しかし、海外全体の時価総額をベースにしたので、日本を特別視しないことにした」と話した。
「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」が人気の理由について、カン・チュンド氏は「日本を特別視せず無国籍の場から世界に投資するという考え方が、(同ファンドの設定時期に当たる)2007年という時代背景にマッチしたのでは。2007年、2008年は日本の株式市場がそんなによくなかった。日本の中だけで投資対象考えるのではなく、自分の運用も世界を中心に考えるべきでは? という人が何らかの共感を得た。これからの時代は世界標準だよねという流れに乗っている」と述べた。
また、竹川氏は同ファンドの評価ポイントとして「新興国の株も入っていて国際分散投資ができる。そして、ファンド・オブ・ファンズなのに手数料が少ない。初めて買う人でもコスト安く国際分散投資できる」といった点を挙げた。石田氏も「低コストで世界中に分散投資できて、長く投資できるところがいい」と述べた。
愛称を決めるにあたって、Twitterでも愛称を募集。「特徴がわかりやすいものがいい」といった意見がでる中、中野氏は「(同ファンドの愛称を決めるに当たり)何を主張したいか。そういう意味では『50対50』は重要ではなく、これ1つで世界成長に連動していることを伝えたい」と強調。カン・チュンド氏も「世界は大丈夫だよね、と意志表示すること」が同ファンドの理念であると述べた。「怖がらずに、地球にゆっくり投資できる」といったイメージから、「全球亀号(全球とは中国語で地球を指す)」「地球列車」といった案が出た。
世界経済の変化を映す鏡になる同ファンドの特徴から「進化の鏡」「みんなの力」という意見も出たが、Twitterで「『みんなのちから』は 高知銀行の定期預金にある」という指摘を受けるなど、ユーザーも活発に意見を述べるなどして会議は盛り上がった。
その後様々な愛称が出たが、石田氏から「これだけは外せないコンセプト・キーワードを出したほうがいい」という意見が出ると、中野氏は「グローバル」ときっぱり。また、森本氏は「直販へのこだわりも大きいじゃないですか。そういう意味では先ほどの『地球列車』がいい、車掌がお客様の面倒を見て牽引していくイメージ」と述べた。そうしたイメージからほかに「世界の車窓」という案も出され、最終的に「全球亀号」「地球列車」「世界の車窓」の3択でTwitterにてアンケートを採り、「地球列車」が一番多い結果となった。
続いて、「セゾン資産形成の達人ファンド」について愛称を決めることに。中野社長は「国際分散投資のポートフォリオ完成させるためにアクティブファンドを作った。ポートフォリオは今のところ85%ぐらいできあがっている。地域のアロケーションに選択肢を増やし、完成に近づけたい」と述べた。初心者向けかどうかについて、中野氏は「セゾンバンガード(セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド)がコア。サテライトが達人(セゾン資産形成の達人ファンド)という位置づけ。セゾンバンガードに比べてリスクが高いが、両方とも初心者でも受け入れられるのがコンセプト。セゾンバンガードと違うのは、優秀な達人の運用能力に託すところ」と述べた。
メンバーからは、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」の2つがセットであることをイメージした名前がいいという意見が出た。そうした中「全球鶴号(全球亀号とセット)」「地球特急(地球列車とセット)」など、セットであることが分かりやすい名前も多く出された。
その結果、満場一致で「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は「地球列車」、「セゾン資産形成の達人ファンド」は「地球特急」として、セットでイメージしてもらうということになった。なお、この愛称を実際に使用するかどうかは「今後のお客様からの要望や評判、口コミ等での広がりをみながら、活用するための検討をすすめていく」としている。