アジア市場概況
日本225種は、アルコア(AA.N)の好決算に下支えされるも、中国当局による住宅購入規制策と銅需要の減少が嫌気され反落。中国株式も序盤から売り優勢の展開に。為替市場も株式の下落を受け、投資家のリスク回避姿勢が強まってクロス円の売りが優勢となった。
特に豪ドルは中国資源需要の縮小観測の影響が直撃し、対円で77円前半、対ドルで0.87まで下落。他のクロス円、ユーロ円は111.20台、ポンド円は132円ミドルレベルまでリスク回避姿勢が強まった影響を受け、ドル円も88円台へ反落し、欧州タイムを迎えた。
海外市況動向
ユーロ圏財務相会合及び欧州連合財務相理事会をにらみ、ギリシャ金融機関へ課されるヘアカット適用率への懸念から、再びユーロと金融セクターへの売り圧力が強まりつつある。更に中国当局が、複数の住宅を購入する借り手に対する融資を規制する方針を表明したこともネガティブ要因だ。
中国の銅需要が3カ月連続で減少傾向にあることが判明したタイミングでの不動産規制は、国内の金融引き締めを連想させる。そして、この動向は資源需要の縮小観測へとつながり、資源系セクターの上値を抑制する可能性も出てくる。
指数インパクトの大きい金融と資源の両セクターでショートバイアスが強まれば、その影響がユーロへと波及するシナリオが浮上する。
本日の経済指標では、18:00に発表される独のZEW指数に注目が集まっている。リスク回避に傾いている地合いで市場予想を下回る内容となれば、株やユーロで下落スピードが増すと思われる。
なお、注目の米企業決算だが、本日は米半導体大手インテル(INTC. O)が発表予定となっている。事前予想EPSは0.43$(ロイター調)。アルコアは好決算には反応薄だったが、インテルの決算次第ではハイテクセクターに動きが出る可能性もある。リスクテイクトレンドを探るなら、やはり米企業決算の動向にも注目しておきたい。