昨日の海外市場動向

欧州株式は、ストレステストへの不安が和らいだことをきっかけに、景気敏感セクターを中心にショートカバーが強まった。一方、米株式は、市場予想を下回った6月ISM非製造業景況指数の結果と、今月発表される米企業決算への期待感が交錯する展開となった。

為替市場は欧州債務問題の緩和が材料視され、株高に連動しユーロや豪ドルといったリスク通貨の買い戻しが一層強まる展開となった。

本日の主要経済指標及び要人発言

・18:00 ユーロ圏・1QGDP(確報値)

・19:00 独・5月製造業受注

・23:00 加・6月Ivey購買部協会指数

・28:35 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁の発言

本日のアジア市場動向

欧州の金融システム不安が一時的に後退したが、米景気減速懸念も徐々に強まっており、本日の東京株式はまだら模様の展開となるか注目したい。欧州債務懸念の緩和や7月の米企業決算への期待感が先行すれば、引き続き底堅い展開となることが考えられる。

日本225種は、9000のラインを維持したことから底堅さが増しているであろう。為替市場でも引き続きユーロや豪ドルのようなリスクに敏感な通貨でショートカバーが継続すれば、クロス円を中心とした円安になるか。その場合、主力輸出関連株を中心に4日連続の続伸への期待感も出てくる可能性がある。

しかし、昨日もスペイン債務問題の懸念が囁かれれば、米経済指標の弱さも市場の関心を集めているのも事実だ。現在はショートカバーが勢いを増しているが、反転してもおかしくない材料があることにも目を向けておいたほうが良いだろう。

そのことを示唆しているのが、米10年債の動向と思われる。昨日は年初来の低水準に近付いており、昨日は短期債でも上昇していることから、投資家の安全資産への妙味が薄れていないことがわかる。

本日のアジア時間では、材料が乏しいため、このように米経済への先行き懸念が根強い中、東京株式をはじめ、ショートカバーによりかなり上昇したユーロや豪ドルといった通貨での利益確定売りを誘発する可能性もあるため注意したいところ。

ユーロドル 日足

ウォール街株価指数 日足