アジア市場動向

アジア時間は、株式、為替市場共に投資家のリスク回避姿勢が鮮明となり、日本225種は2%以上下落、他のアジア市場も同様の展開となった。

そのため、為替市場では、円相場全面的な円高へ。ユーロおよび、豪ドルも対円で下落幅を拡大させた。クロス円を中心とした円高の動きと米長期金利の低下の影響から上値は重く、88円前半でこう着したまま欧州タイムに入る。

海外市況動向

格付け機関ムーディーズがスペインのソブリン格付け引き下げの方向で検討するとの報道が再び投資家のリスク回避姿勢を強め、ユーロ円は107円ミドルまで下落している。また、オーストラリアの5月の小売売上高と住宅建設許可件数が共に市場予想を下回ったこと、中国の製造業購買担当者指数(PMI)が前月53.9から52.1に低下したことが資源需要への縮小観測へとつながり、豪ドルもリスク通貨としての売り圧力にさらされた。これら内憂外患を背景に、豪ドル円は5月下旬以来となる73円割れの様相が強まっている。

ドル円は、クロス円を中心とした円高の影響から88円前半でかろうじてサポートされる展開となっているが、米長期金利の動向次第では、目先の下値ポイントと思われる88.00のラインをトライする可能性が高まるだろう。

一方、本日の欧米株式市場は、引き続き金融セクターと資源セクターの動向が焦点となりそうだ。

3カ月物オペが供給額を下回ったことにより欧州の民間金融機関の資金繰りを巡る懸念は一時的に後退しているが、本日、スペインをはじめとした欧州各国の国債入札状況次第では、いつ債務リスクが顔を出しても不思議ではない。昨日は資金不足懸念後退を背景に、欧州の銀行株に買いが入ったこともあり急落という事態は避けられたが、本日予定されているスペイン国債入札の動向如何では再びリスク懸念が金融市場を覆うことも考えられる。ちなみにフランス国債の入札も予定されており、その動向には注視したい。

更に米国に目を向ければ、最近の指標の弱さから景気減速懸念が台頭しつつある。

消費関連指標の弱さはもちろんだが、昨日発表された6月のADP雇用統計も予想を下回ったことから、本日発表される2つの雇用関連指標、チャレンジャー社による6月の人員削減数と米新規失業保険申請件数には市場関係者も注目せざるを得ない。更に6月のISM製造業景況指数の発表も控えており、構成指数である雇用Indexと上記の雇用関連指標の内容如何では、明日の米雇用統計に関する憶測が飛び交い、それによって本日の市場が大きく上下どちらかに振れる可能性があるからだ。

また、後者の資源系セクターは、米景気後退懸念に加え、本日の経済指標の結果を受け、中国の経済成長鈍化の影響が鉱山株の売りを誘発する可能性もある。

ユーロドル 日足

ウォール街株価指数 日足