東京証券取引所グループが22日に開いた定例会見で、同日付けで会長を退任した西室泰三氏が、同取引所での最後の会見を行った。西室氏は会長退任について、「東京証券取引所に貢献できることはやり終わった」と感じたことが、退任を決めるきっかけとなったと述べた。
西室氏は会見で、「まる5年前の2005年に急に東証の会長ということになって、いろんな意味での東証にとっての荒波があった。東証の皆さんに助けられて、なんとか無事5年の任期を務めることができた」と述べた。
会長を退任することについては、「今年の正月すぎぐらいから、私はこれからどうしようかなと思い、私自身が東京証券取引所に貢献できることは一応やり終わったという風に感じた」と述懐。「その中で一つだけ、皆さんに約束した東証の上場というのは、まだ果たしていないが、それについても一応めどはたった気がする」とし、上場は果たせなかったが、一定の道筋はつけたとの認識を示した。
その上で、「4月になってからと記憶しているが、斉藤(惇)社長にお話して、現在のような状況(会長退任)になった」と説明した。
東証の会長として、最も印象に残ったことについての質問には、「一番びっくりしたのは、会長になったらどうだと言われた時」とし、「そんなに仕事しなくていいよという甘い言葉にだまされた」と笑わせた。
さらに、「システムトラブルを中心とした事件が起きて、当時の社長と専務、常務の3人が辞めて、社長を兼務せざるをえなくなったことが、一番大きな点だった」と述べ、システムトラブルによる誤発注後の対応に追われたことを振り返った。
退任後についての質問には、「少しゆっくりさせていただいて、どうするか考えたい」と話していた。