アジア市場動向

人民元切り上げがグローバル経済へポジティブな影響を与えるとの思惑から、アジア株式市場は総じて堅調な値動きとなった。ユーロや豪ドルといったリスク通貨が底堅い展開と見せていることも投資家の買い安心感を誘発し、日本225種は前日比+2.43%となった。

その為替市場だが、人民元切り上げに対し目立った円高での反応は見られず。むしろアジア株高に反応し、ユーロや豪ドルが対ドル&円で底堅い展開が継続した。

ドル円もこの値動きに下支えされ、90円後半でボックスレンジを形成したまま、欧州タイムへと入っていった。

海外市況動向

人民元の切り上げが中国の内需拡大へつながるとの思惑が急速に台頭し、株式、為替そして商品市場でのリスクテイク基調が、更に強まりを見せている。

アジア株式同様、債務リスクが依然として燻る欧州株式市場でも需要拡大期待を背景に資源系セクターが堅調な値動きを見せ、欧州株価指数全体を押し上げている。

特に中国関連では敏感に反応し易い鉱山株が堅調な値動きとなっており、株式→商品→資源国通貨のサイクルが、本日の注目点となりそうだ。

既にそのことを示唆するかのように、豪ドル円は、節目の水準であった80.00のラインレベルを完全に突破し、新たなレンジへと突入する気配を強めている。また、対ドルでは約1か月ぶりとなる0.88台へ到達しており、ここにきて需要が更に増していることがうかがえる。

短期的に円高への反応も想定していた市場関係者もいたようだが、そのようなリスク回避が今のところ見られず、また、本日は欧米タイムで主要な経済指標の発表予定がないことを考えるならば、各市場では次の上値ポイントを探る動きが活発化する可能性が高い。

ただ、ひとつ注意すべき点として、欧州タイム以降再びユーロ売りが強まっていることを挙げたい。

現在のトレンドはリスク選好でも、やはり欧州債務危機の火種はくすぶっており、市場金利ではそのことに対する懸念を反映した状況がスペインやハンガリーといった利回りの動向に表われている。その影響は微妙にユーロだけでなくポンドへも波及しており、リスクを取りにいっている投資家の足元をすくいかねない。

ユーロドル 日足

ウォール街株価指数 日足