ブームの火付け役は桃屋
2009年8月に発売された桃屋のラー油「辛そうで辛くない少し辛いラー油」。今年3月に発売されたエスビーのラー油「ぶっかけ! おかずラー油チョイ辛」。これら2商品を中心にいま巷では、"食べるラー油"ブームが巻き起こっている。ここからは、両商品を徹底比較。何がどう違うのかを解説していこう。
ブームの火付け役は桃屋。テレビCMやブログ等での口コミで人気に火が付き、入手が困難となるほどの品薄状態となった。それから7カ月ほど遅れてエスビー食品が「ぶっかけ! おかずラー油チョイ辛」を発売するのだが、こちらも人気の余り品薄に。ラー油ブームは留まるところを知らない。
ベースは同じ。具材の種類や大きさに違いが
具だくさん。一体、どんな"具材"が使われているのだろうか。両商品に使用されているのはフライドガーリック。さらに桃屋の商品にはフライドオニオンが使用され、エスビーの商品にはアーモンドが使われている。口に入れると「カシュカシュ」とした食感があるのは共通だが、桃屋の商品のほうが具材が大きいので、食感はしっかりめ。また噛むほどに旨味がジュワ~と染み出してくるのは桃屋のほう。具材が大きい分、たっぷりとオイル分や旨味成分を含んでいるのだろう。エスビーの商品に使用されているアーモンドは、フライドガーリックと同じくらい小さく刻まれているので、食感的にはそれほど「アーモンド!!」と主張はしてこない。しかしどちらの商品も、フライドガーリックだけを食べると、かなりカリカリとした食感が残っている。
ベースとなるオイル部分は、共になたね油とゴマ油を使っている。味付けには粉末醤油や塩、砂糖、オニオンパウダーを使用。加えて、桃屋の商品には唐辛子味噌が、エスビーの商品には辣醤(ラージャン・唐辛子味噌のこと)がプラスされている。
色目はエスビーの商品のほうが赤色が強い。味わいはというと、桃屋のほうが甘み(旨味)が強い。辛味もエスビーよりやや控えめである。エスビーのラー油は、フライドガーリックの味わいがやや強く出ていて、後に少し苦味が残る。
結論から言うと、個人的な感想としては冷やっこや白ごはんといったシンプルなメニューには桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」が、ラーメンやチャーハンなど調理性の高いメニューにはエスビーの「ぶっかけ! おかずラー油チョイ辛」のほうが合うと感じた。桃屋の商品は甘み(旨味)が強い分、調理性の高いメニューに合わせるともともとの料理の味を損ないかねないように思う。
ただ、桃屋のラー油もこの商品をベースとした味付けにするのであれば、様々な料理で活躍するだろう。例えばパスタ。茹でたパスタと野菜をフライパンで炒め、ラー油を加えて和える。これだけで即席ペペロンチーノの完成だ。
しかしながら、まずはアツアツごはんにドバッとラー油をかけて、シンプルにその味を堪能してほしい。この食べ方がやはり、それぞれの味が最も分かる方法のように思うからだ。