映画『春との旅』のプレミア試写会が11日、東京・有楽町で行われ、主演の仲代達矢、徳永えり、小林政広監督が登壇した。
仲代自ら脚本にほれ込み、9年ぶりの主演となった同作は、北海道で暮らす74歳の老人・忠男(仲代)と、19歳の孫娘・春(徳永)が、疎遠になった家族を求め旅に出るというストーリー。「60年やってきた晩年の老役者が、こんな素敵な作品に出会えて本当に幸せです」と、満員の観客に迎えられた仲代は感無量の様子だった。
一方の徳永は、大俳優を前に緊張の面持ちだったが、自らの役については「『春を演じた』というより、『春とともに生きた』感じがしています。撮影中は大変なことや辛いこともたくさんあったけど、この作品を見ていただけることがありがたく、嬉しい気持ちでいっぱいです」と語った。そんな彼女を、仲代は「年齢も全然違い、孫娘よりさらに若いくらいですが……」と前置きした上で、「一人の女優が新しく誕生した思っています。スター誕生です!」と高く評価。会場からも大きな拍手が沸き起こる中、徳永も感激した様子で、「言葉にならないです。ありがとうございます」と笑顔を見せた。
また、5月9日が徳永の22歳の誕生日だったことから、サプライズとして仲代から花束が贈られることに。熱い抱擁を交わし、「まだ若い女優さんです。映画、舞台と経験を積まれると思いますが、初心を貫いて、その辺の薄っぺらな女優にならないように(笑)、志高くいてください」とメッセージを送られた徳永。「びっくりしました」と話すその目には涙が浮かんでいたが、「私はまだ22年しか生きていないし、足りない所はたくさんあります。でも焦らず、一つ一つ引き出しを増やしていって、仲代さんのような素敵な役者さんになれたらと思っています」と気丈に話し、決意を新たにしていた。
映画『春との旅』は、5月22日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国ロードショー。