映画『ソラニン』が3日に公開初日を迎え、宮崎あおい、高良健吾、桐谷健太、近藤洋一(サンボマスター)らキャストと、三木孝浩監督、原作者の浅野いにおが東京・新宿にある新宿ピカデリーにて舞台挨拶を行った。

映画『ソラニン』で主人公の芽衣子を演じた宮崎あおい

この日、作品が流れている劇場内を少しだけ覗いたという宮崎は「撮影中を思い出して懐かしい気分になりつつ、皆さんがどんな気持ちで見てくださっているのかな、とソワソワしていました」とはにかみつつ挨拶。また、「最後のライブシーンは、朝から夜中まで撮影で何十回も歌って演奏をしました。その後テンションが高いまま打ち上げをしたんです」とクランクアップ時を振り返り、「(打ち上げの席で)『めっちゃ疲れたな! 俺、膝笑ってるわ~』と言った健ちゃん(桐谷)の膝に、笑顔が描いてありました。これにはグッときました(笑)」と、爆笑エピソードを披露した。これに桐谷は「もう片方の膝には怒った顔が描いていました」とさらにネタの詳細を明かし、「それであおいちゃんの心を掴みました」と得意気な様子。さらに近藤が「壮絶だった撮影の後で、誰にも見つからないようにコッソリ描いてたかと思うと愛しくなる」としみじみコメントすると、会場は笑いに包まれた。

最後のライブシーンの撮影をコッソリ見に行って「感動しました」と言う高良。「皆にバレないように隠れていました」と話す高良に、キャストらは「バレてましたけどね」とグサリ

桐谷は加藤(近藤)の恋人役・伊藤歩のオトボケぶりを暴露。「ウーパールーパーを飼い始めた話をしたら、(伊藤が)『ウーパールーパーってゼリーですよね』って。ゼリーじゃないです、生きモンやし」とツッコんだ

左から、浅野、近藤、高良、宮崎、桐谷、三木監督。映画『ソラニン』は新宿ピカデリーほか全国公開中

また、宮﨑は最後に本作について「自分のこと嫌いだったりとか否定してしまっている部分があっても、この映画を見て、そういう自分を受け入れて先に進むきっかけになってくれればいいな、と思っています」と語り、三木監督が「この映画から、不安を抱えながらも生きていく力みたいなものを貰っていただければ嬉しい」としめくくった。

なお、本作は、バンドマンの恋人・種田(高良)を事故で失った喪失感から、自身の存在価値が分らなくなってしまった芽衣子(宮﨑)が、種田の残した曲『ソラニン』を自ら歌うことで、悲しみを乗り越え新たな一歩を踏み出すというもの。若者特有の不安定でナイーブな心をリアルに描いた青春ラブストーリーとなっている。

(C)2010 浅野いにお・小学館 / 「ソラニン」製作委員会