ホンダは四輪車と二輪車、汎用製品などを合同で展示。そのため、今回のショーにおいて単独ブランドしては最大面積のブースとなった。ブースコンセプトは"ないものをつくれ"とし、「夢」や「熱い想い」を原動力として魅力的な製品を提案している。

コンセプトカーなど、夢が溢れる出品が多いホンダブース

発売間近。ハイブリッド車初の6MTを採用する「CR-Z CONCEPT 2009」

今年2月に発売し好評を博している「インサイト」に続いて、来年2月の市販を控えている「CR-Z CONCEPT 2009」が世界初出展された。"低・短・ワイド"のパッケージを実現するため、小型・軽量・高効率を追求したホンダIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)を搭載。1.5L i-VTECエンジンと相まって、低燃費でありながらもスポーツカーライクな走行を楽しめることを目指している。

ショートホイールベース、ワイドトレッドという運動性能と操縦性、スタイリングのベストバランスを高次元で追求。さらに、ハイブリッド車としては初となる6速マニュアルトランスミッションを搭載し、走りを楽しめるハイブリッド車として新しいファンを獲得しそうだ。

フロントからテールまで、流れるようなデザインの「CR-Z CONCEPT 2009」

低くワイドなシルエットは、うちに秘めた戦闘力を物語っている

マルチパーパス6シーターのハイブリッド「スカイデッキ」

幅広い年齢層とひとりひとりの趣向性に応えることを目指したのが「スカイデッキ」(コンセプトカー)だ。パワーユニットには小型・軽量・高効率を追求したハイブリッドシステムを採用。これをセンタートンネルに収納し、低床・低重心を実現した。全座席が薄型軽量シートで、2列目シートはそれぞれ、運転席と助手席の下に電動スライドする。3列目は床に収納することで、フラットな大型の収納スペースを作り出すことができる。

ドアはガルウィング+斜めオープンのスライドドアで、どのドアも横に張り出すこがなく、狭い駐車スペースで乗り降りしやすくなっている。扱いやすいコンパクトなボディサイズながら、多人数での移動や荷物運搬にも使え、カーライフのイメージを自由に広げてくれる一台だ。

「スカイデッキ」。全部のドアを開いくと未来的なスタイリングとなる

ドアが横に広がらないため、狭い駐車スペースでも乗り降りしやすい

全長 4,620mm、全幅 1,750mm、全高 1,500mm。ホイールベースは2,885mm。オーバーハングも短い

流れるようなエアロフォルム。テールのデザインは印象的だ

薄型軽量シートを採用して、6人乗り3列シート。ルーフは大部分がガラスになっている

2列目シートが電動スライドで1列目シート下に移動。広い荷室を作り出す

ホンダが考える電動技術のビジョン"HELLO!"のコンセプトモデルたち

四輪車・二輪車・汎用製品の隔てをなくし、電気を供給する製品から電動化技術を用いた製品までをひとつの環としてとらえる"HELLO!(Honda Electric mobility Loop)"の展示コーナーが設けられた。CO2を排出せず、クリーンなエネルギーをクリーンに作り、クリーンに使うためのコンセプトモデル群だ。

コンパクトなサイズの4輪車「EV-N」は、携帯電話やデジタルオーディオのような身近な存在としてクルマを楽しんでもらいたいという想いから誕生した。ドライバーと歩行者、ドライバーとマイカーがコミュニケーションほ図るための機能を搭載。インテリアはシンプル&スマートをコンセプトに無駄な装飾を排除。ルーフにはソーラーパネルを装備する。

「EVモンパル」は、安心・快適なパーソナルモビリティをコンセプトとして開発されたシニアカー。小型軽量のリチウムイオン電池を採用。車車間通信機能を持ち、相手ドライバーにお礼を伝える機能も装備する。

ホンダが誇る二足歩行ロボット「ASIMO」の技術から生まれたのが、一輪車モビリティである「U3-X」。ジャイロや傾斜センサーを使った自立式で、一輪車に乗れない人でも乗れる一輪車として注目を浴びていた。「U3-X」に座る人はまったくバランスを取る必要がなく、「U3-X」がバランスを取って倒れないようにしてくれる。軽く体重をかけるとその方向に移動し、座ったままであちこちに移動できるようになっている。

「EVカブ」は、前後輪にインホイールモーターを内蔵し、バッテリーをアルミダイキャスト製フレーム中央に配置した二輪EV。スリムでコンパクトな車体が特徴で、スーパーカブ本来の機能性を進化させながら、シート下にメットインスペースを作るなど、ユーザビリティも向上している。

そのほか、燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」も「HELLO!」の一端を担う存在として参考出品された。

「EV-N」。小さく丸みを帯びたデザインがかわいい

「EVモンパル」。お年寄りや身体の不自由な人に向けた次世代のモビリティ

「FCXクラリティ」。現在、法人向けリースだけで市販はされていない

「U3-X」。支えもなく、完全に自立している

「EVカブ」。スーパーカブよりもずいぶんコンパクトだ