その個性的な演技と強烈な存在感で日本映画界を席捲する俳優・竹内 力。"V シネマの帝王"とも呼ばれた竹内 力が自身の代表作である『ミナミの帝王』シリーズを越える、新たな代表作を生み出した。10月9日にレンタル開始される最新作『影の交渉人 ナニワ人情列伝』で、主演はもちろん、企画・原案、主題歌までをこなした竹内 力を直撃した。

竹内 力

妥協することは嫌いだし出来ない

――今回の竹内さんの主演最新作『影の交渉人 ナニワ人情列伝』は『ミナミの帝王』シリーズを越える新シリーズになりそうな予感がします。

竹内 力(以下、竹内)「そうならないとダメだし、制作者としてそれを目指して作った作品です。『影の交渉人』は原作がない完全オリジナルの新作で、作る以上は『ミナミの帝王』を越えなければならないというプレッシャーを、自分にかけていたんです。俺は妥協することが嫌いだし、出来ない性格なので、やるしかなかった」

――竹内さん程のキャリアの方だと、様々な過酷な状況の撮影現場も経験してきたと思います。今回の作品ではいかがでしたか?

竹内「企画からイン(撮影開始)まで、時間なかったというのがきつかったですね。それでも、みんな頑張ってくれた。どうしてもこの作品を良いものにしたい、『ミナミの帝王』を越える娯楽作品にしたかったので」

――シリーズ化を強く意識した作品ですが、撮影を終えて手ごたえは?

竹内「ええ、もちろん最初からシリーズ化するつもりで作っていますから。そのための伏線が色んなところに散りばめられていて、続きが観たくなるように仕上がりました。ここからいくらでも掘り下げて話が広がる作品だと思っています」

影の交渉人 ナニワ人情列伝

巨悪を暴ききれずに検事を辞めざるをえなくなった「ヤメ検」城崎竜二(竹内 力)。彼はかつて自分が起訴し更生させた元犯罪者たちを率いて、悪徳闇金業者など法で裁ききれない裏社会の悪に制裁を加えるのだった。
(C)2009 東映ビデオ

――主人公である元検事の城崎は、暴力でなく法律を駆使して巨悪に対抗していきますね。

竹内「『ミナミの帝王』が現代版の『水戸黄門』なら、『影の交渉人』はいわば現代版の『必殺仕事人』というつもりで作りました。暴力でなく言葉、法律を駆使して悪を倒していくという手法は変えずに、緊迫感あるストーリ―展開と人情味あふれる内容にしてあります。」

――城崎には、鍵師、役者、ハッカーなど様々な特技を持つ仲間がいます。今回はその仲間たちも竹内さんご自身のプロダクションRIKI PROJECT所属の俳優さんたちが演じていますね。

竹内「どうして城崎に仲間がいるのかという繋がりを考えたんです。主人公を検事にして、過去に起訴して更生させた元犯罪者たちが仲間になるという設定で、城崎との関係を成立させました。今回出演した彼らは、俺の本当の役者仲間だし、そのほうが仲間という関係性にリアリティが出るので」

―竹内さんの会社の皆さんで、この作品に対して総力戦で挑んだという感じですね。

竹内「そうですね、インの前も、みんなで企画を練り、設定を考えましたからね。劇中では自分の車を使ってますし、今回は自分の色々な想いがこもった特別な作品ですね」

――今回は主題歌も担当されています。

竹内「ええ、自分で歌っています。『闇に吠えろ!』という曲なんですが、もともと十年ほど前に作った曲なんです。当時、ある殺人事件のニュースを見ていて、完全に悪を裁けない現代の法律に違和感を感じる部分があったのと、生きていれば誰にでもある人生の苦難や壁に対して、拳を突き上げて立ち向かっていこうぜという想いから生まれた曲です。今回、自分で落とし前をつけるという城崎の生き方にも共通する部分があったので、新たにアレンジしてレコーディングし、この作品の主題歌にしました」

――『影の交渉人』を楽しみにしているファンの方々に、ひとことお願いします。

竹内「『影の交渉人』は俺の主演作というだけでなく、企画や原案、主題歌も担当して、タイトルも自分で考えました。あらゆる部分で思い入れが強い作品です。『ミナミの帝王』を越えるために"作った作品"、ではなく"自ら生み出した作品"だから、皆さんにも楽しんで欲しいですね」

影の交渉人 ナニワ人情列伝

10月9日 DVDレンタル開始
10月21日発売 4,725円
販売元:東映ビデオ