セイコーウオッチは17日、男性向け腕時計の新シリーズ「ブライツ アナンタ」の発売直前の前夜祭ともいえるイベント「BRIGHTZ Ananta World Launch」を開催した。同シリーズは、今春発表された本物志向の男性に向けたシリーズで、19日に世界同時発売される。価格は、19万9,500円~68万2,500円。

メイド・イン・ジャパンの技術の粋を結集し、日本の美意識が宿る「日本刀」をモチーフに生み出された高級ブランド「ブライツ アナンタ」シリーズ。りゅうずには刃物で切り取ったようなカットが施され、日本刀をモチーフにしたこだわりが盛り込まれている

本イベントが開催されたのは、東京・上野にある東京国立博物館 法隆寺宝物館。法隆寺宝物館では、法隆寺(奈良・斑鳩)から皇室に献納され、戦後になって国に移管されたという宝物約300件が収蔵・展示されている。今回、会場外観は赤を基調としたデザインになっており、日本刀が活躍した古の時代を彷彿とさせる異空間を演出していた。

ライトと篝火で赤く染められ会場外観は、来場者を仄暗い闇の中から、「ブライツ アナンタ」の持つ独特の世界へとタイムスリップさせるかのような洗練された演出とデザインが非常に印象的であった

イベント冒頭の同社代表取締役社長・服部真二氏による挨拶では、同シリーズのデザインコンセプトやテクノロジーの紹介などが行われた。シリーズの名称となっている「アナンタ」とは、サンスクリット語で「終わりのない」「無限」を意味する言葉なのだという。同社が現在に至るまでの128年の歴史を継承すると共に、ブランドビジョンである「革新と洗練」を未来永劫にわたり具現化し、また全世界をフィールドに無限の広がりをもって販売を行うなどの意味が込められているとのことだった。

イベント冒頭では、同社代表取締役社長・服部真二氏により「ブライツ アナンタ」にかける抱負などが語られた。コメントには、高級品世界戦略の本格的始動への意気込みが強く感じられた

日本刀がデザインモチーフに

同シリーズは、古来より日本独自の素材と手法で作られ、芸術の域にまで進化した機能美の象徴である「日本刀」がデザインモチーフ。同社が持つ先進技術と匠の技を駆使して制作されているという。また、同社にとっては世界の高級品市場に向けて発売する初のシリーズとなる。セイコー独自のスプリングドライブを採用した2機種(4モデル)、およびメカニカルムーブメントを採用した3機種(6モデル)の計10モデルがラインアップされる。

「ブライツ アナンタ」シリーズのデザインモチーフである日本刀と共に、各種製品がディスプレイされた会場。匠の技により磨き上げられた「ブライツ アナンタ」が妖しくもまばゆい光を放つ

会場内には、世界各国からの多くの関係者や80名あまりのプレスが詰めかけており活況を呈していた。本年7月のロンドンを皮切りに、全世界15カ国で同様のローンチイベントが実施中

なお、会場正面には、照明により深紅にライトアップされた水上ステージが設けられ、桜月流美剱道による「剱の舞」なども披露された。「剣の舞」は、やまと言葉と美しい日本的な旋律にのせて歌う"ヤマト歌"と刀を用いた舞。夜の静寂をバックに、照明に照らされた幻想的な雰囲気の特設舞台にて展開された圧巻のパフォーマンスは、同シリーズの持つ世界観にも相通ずる研ぎすまれた感覚と、日本古来の美意識を強く感じさせるものであった。

劇場空間のみならず、野外公演や聖地奉納など数々の舞台で公演する「桜月流美剱道」による迫力ある演舞が行われた。伝統と革新を同時に表現する独特のパフォーマンスが会場を魅了した