ブランド総合研究所は10日、国内1,000の市区町村及び47都道府県を対象に、認知度や魅力度、イメージなどを調査した「地域ブランド調査2009」の結果を公表した。調査結果によると、全国で最も魅力的な市区町村は函館市(58.8点)で、昨年の2位からトップに躍り出た。今回初めて47都道府県に対する評価も行い、1位は北海道(68.9点)、2位は京都府(54.6点)、3位は沖縄県(53.3点)という結果になった。

同調査はブランド総合研究所が年1回実施している調査で、地域のブランド力を消費者が各地域に抱く「魅力」として、100点満点で数値化した。全783市(2009年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な194の町村を加えた、計1,000市区町村を対象としている。第4回目となる今回は2009年7月に実施され、全国の消費者3万2124人から回答を得た。また、今年から47都道府県を新たに調査対象に加えた。

全国で最も魅力的な市区町村には、函館が選ばれた。函館市が「魅力的」と回答したのは85.1%と8割を超え、逆に「魅力的でない」と回答したのは1.4%にとどまった。函館市が魅力度以外の指標で全国1位となったのは「イメージ想起率」で、回答者の91.8%が函館市に対して何らかのイメージを有し、中でも「観光・レジャーのまち」としてのイメージ想起が高い(全国1位、83.7%)。地域資源評価においては「食事がおいしい」「買いたい土産や地域産品がある」という項目において1位を獲得した。

魅力度ランキング(1~20位)

ブランド総合研究所調べ

2位は昨年まで3年連続1位だった札幌市(56.4点)。調査の経年変化を見ると、札幌市を「魅力的」と回答する割合が徐々に減少(07年85.8%→08年82.7%、09年82.1%)し、逆に「魅力的でない」と回答した割合は、徐々に増加傾向にある(07年2.0%→08年2.4%、09年3.9%)。ただし、他指標の調査結果でも観光意欲、産品購入意欲などは昨年に引き続き1位に入った。同研究所は「市のブランド戦略において、こうしたマイナスイメージの要因を洗い出し、それを解決しなければ今後もイメージの低下が続く危険がある」と指摘する。

3位は京都市(56.3点)、4位は横浜市(51.9点)といずれも昨年と同じ順位。5位は神戸市(50.9点)で昨年の6位から順位を上げた。町村では、軽井沢町が40.9点で10位(昨年は9位)。続いて屋久島町が40.5点で11位(同11位)にランクインした。

また、今回が初調査となる最も魅力度が高い都道府県は、北海道で68.9点という結果に。北海道は市区町村での同ランキングにおいても函館市が1位(58.8点)で、以下札幌市(2位、56.4点)など高い点数の市区町村が複数存在する。また、函館市よりも北海道の魅力度点数が高いことから、同研究所は「北海道は複数の市区町村の魅力が評価されている」と分析する。

魅力度ランキング(47都道府県順位)

ブランド総合研究所調べ

次いで魅力度が高かったのは京都府で54.6点。3位は沖縄県で53.3点。沖縄県も、北海道同様に、那覇市(12位、40.2点)、や石垣市(17位、34.1点)など、魅力度の高い市区町村を県内に複数抱えている。一方、今回の調査で最下位となったのは茨城県。同研究所は「茨城県にはつくば市(133位、16.3点)、水戸市(191位、12.5点)など、茨城県の魅力度点数よりも高い評価をされている自治体が複数あるが、これが県の魅力につながっていないようだ」としている。