内閣府は10日、7月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。3カ月前と比較した景気の現状に対する判断DI(現状判断DI)は、家計動向関連のDIが低下したが、企業動向、雇用関連のDIが上昇し、前月を0.2ポイント上回る42.4だった。

同調査は、マクロ統計に表れにくい「街角景気」を集計し、指標化するもの。家計動向、企業動向、雇用など、代表的な経済活動項目において景気動向を敏感に反映する業種から選ばれた2,050人が調査客体。地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。

現状判断DIが前月を上回るのは7カ月連続となるが、水準は低く、横ばいを示す50を28カ月連続で下回っている。地域別では、全11地域のうち、北海道、東北、関東(北関東・南関東)、東海、近畿の6地域で前月を上回った。上昇幅が大きかったのは近畿で、前月比2.8ポイントの上昇。一方、下落幅が大きいのは北陸で、前月から2.7ポイント低下した。

家計動向DIは、エコカー減税やエコポイント制度の導入で、一部商品の販売増が続いたが、梅雨明けの遅れや豪雨発生などで夏物商品の売れ行きが不調となるなど、全体として前月を1.0ポイント下回り41.4に。企業動向関連DIは、受注や出荷が持ち直しつつあることもあり前月から3.0ポイント上昇し45.9だった。雇用関連DIは、前月から1.6ポイント上昇し41.5。新規求人数が依然少ないものの、一部での求人の動きなどがあったとしている。 2~3カ月先の景気についての、景気の先行き判断DIは前月比0.7ポイント低下の44.9。受注や出荷増加への期待、離職者急増への懸念後退など、企業部門、雇用部門では上昇したが、冷夏や秋以降の新型インフルエンザ流行への不安、総選挙の影響に対する不透明感から、家計部門が低下した。

7月分の調査結果を受けて、内閣府は、「景気の現状は厳しいながらも下げ止まっている」と、前月の基調判断を据え置いた。