客席からの質問に答える
――なぜ「ポケットが虹でいっぱい」というサブタイトルなんですか?
京田監督「最初のシナリオのラストがレントンのポケットから虹があふれてくるという絵だったんですよ。『ポケットが虹でいっぱい』ってプレスリーの曲でもあり、再生YMOもカバーしていて、『エウレカ』の再生ということでうまくはまるなと思ってたんですけど、第2稿からオチが変わって関係なくなったんです。ただプロデューサーの南(雅彦)さんが、『エウレカ』っぽい青臭さとか恥ずかしさもあるし、響きもきれいだし、このタイトルしかないと力説して決まった感じです。『グッドナイト』という候補もあったんですけど『ビートルズはやめてくれ』と怒られました(笑)」
――ホランドとタルホの赤ちゃんに名前をつけるとしたらどんな名前にしますか?
京田監督「じつはセリフでさんざん言ってるんですよね」
藤原「ミライという」
京田監督「脚本にも絵コンテにもちゃんと書いてあります。男の子でも女の子でも大丈夫な名前なんですけど、女の子。テレビシリーズのときからふたりの子どもは女の子と決めてしました」
藤原「俺が名前つけていいんだったら『ハナ』にするけどね。『ハナちゃん』ってかわいいじゃないですか」
――エウレカやレントン、ホランドのような恋をしたことがありますか?
京田監督「いや、さすがに人間でない人に恋はできないと思うんですけどね(笑)。でもあんなホットな恋してみたいっすよ(会場笑)。できないからこういうことをやってる」
藤原「ホランドはプライベートでは僕なんかがとても言えないようなセリフを何の臆面もなく言ってるんでしょうね。『お前の望む未来が俺の未来だ』なんて、とんでもない話ですよ。パッとあのセリフを言えるなんて、ホランドはかっこいいわ(会場笑)。いままで自分とホランドをオーバーラップさせてやってきたんだけど、『俺こんなにカッコいい大人になれない』と思ってちょっとあきらめちゃった」
――ハップとストナーがショッキングな展開を見せますが、どうしてですか?
京田監督「本当にそれはよく言われるんですけど、モブキャラのジョブスに比べたら、あんなにおいしい役はないなあと」
藤原「あのふたりのエウレカいじめのシーンなんか、目つきが怪しい感じ(笑)」
京田監督「作画さんが妙に張り切っちゃって、僕も『やりすぎかな?』と思いつつそのまま通したんですけど。時間の関係でいくつかハップたちのカットを落としちゃったんで、突然感があったかもなあ、という気はするんですけどね」
――全体的に色味を抑えていた意図はなんですか?
京田監督「新作パートとテレビシリーズの映像を違和感なくつなぐためにノイズを加えたり、色味を調整したんですね。それをやらざるを得なかったので、色彩をどんどん落としていくことで、レントンたちの感情とテーマもどんどん重くなっていくのを表した感じです。もともとあるものをつなぎ直しただけだろうと思われがちなんですけど、劇場にかけるためにみんな撮影し直してるんですよ。どうせ撮影し直すんだったらいろいろいじろうよ、というのが今回の企画の発端なんです。所詮ダイジェストでしょ、と思われるのはやっぱり寂しいじゃないですか。絵がきれいになっただけというよりは、お話も違うぐらいのことをやって初めてつぎのステップに行けるんじゃないかなあ、という気もするし」
――つぎの作品に藤原さんが参加するとしたらどんな役をお願いしたいですか?
京田監督「やってもらうんだったら、いまの藤原さんのイメージじゃない役で『藤原さんじゃないとやれないんじゃないか』という役をお願いしたいなあと思いますね」
藤原「せっかく声の仕事やってるから、いろんな役をやらないとね。でもこれはいい質問ですよ。次回作には僕が出てないといけないみたいな流れになっているので(会場笑)」
――『エウレカセブン』の続編は考えていますか?
京田監督「ネタはやっぱり尽きないですし、『こういうやつをやりたいな』と思っていたことを人に話したら『それは"エウレカ"とつなげられるね』ということもあったりするので、できないことはないんじゃないかという気はしてますけどね。ただ結果的にほかのタイトルになっちゃうかもしれないし、『エウレカ』というタイトルでやれるのかもしれないし」
最後に観客、ファンへ向けたメッセージを紹介しておこう
藤原「いろんな役をやってますけど、自分を重ね合わせるということを僕はあんまりしないんですね。でもホランドだけは自分に重ね合わせまくりなんですよ。こうして映画になったり、たくさんのお客さんに観ていただいたりということが、すごくうれしいです。とにかく言いたいのは、ありがとうのひと言しかないです」
京田監督「演出家になって10年目なんですけど、キャリアの半分が『エウレカ』でした。その間にテレビシリーズと劇場アニメを作れたのは、ありがたいことなんですが、それだけ『エウレカ』から次のステップに行くには、キツい思いをしなくちゃいけない。それぐらい入れ込んじゃった作品なんです。まだ自分のなかでもうまくまとまらないですが、『エウレカ』という作品を媒介としていろんな場を作ってくれる人たちが現れたのは、本当にやってよかったなと思うので、そういう人たちがこの先もいろんな場を作っていけるようにならないといけないなという感じです。今日は本当にありがとうございました」
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