富士急行(山梨・富士吉田)は8月上旬から、観光列車「富士登山電車」を運行する。運行区間は大月~河口湖間(26.6km)の予定。富士急行線の開業80周年を記念して、同社の1200形(2両1編成)をリニューアルするという。内外装のデザインはJR九州の特急や和歌山電鐵の「たま電車」を手がけた水戸岡鋭治氏が手がけたとのこと。同車両は東日本で初の「水戸岡デザイン車両」となる。

「富士登山電車」

車両のコンセプトは、「富士山に一番近い鉄道として、恵まれた自然環境にふさわしい、健康的で魅力的な公共空間」と、「富士山麓の風景の豊かさと美しさを、一枚の絵のようにプレゼンテーションできる移動空間」(同社)。外観は同社の開業時代の塗色である「さび朱色」とし、歴史と伝統をテーマとしたという。

1200形(1205)の客室イメージ

1300形(1305)の客室イメージ

内装は「懐かしさと新しさを調和させたレトロモダン」をテーマとして、ベンチ、ボックス席、ソファ、窓に面した展望席などを設けた。また、サービスカウンターやミニギャラリーなどの設備もあるとのこと。ロールブラインドは竹製、荷棚は木製、床はフローリングとし、木のぬくもり、優しさで演出した。これらはエコ素材を使用し、環境面にも配慮しているという。

なお、同社は「富士登山電車」が停車する下吉田駅について、駅舎と待合室をリニューアルする。レトロモダンをコンセプトとし、吹き抜けに天井画、壁面には富士の絵を飾る。コンコースは富士の稜線をイメージしたベンチやセンターテーブル等を置く予定。ホームにはガラス製の待合室。レンガの床、木の家具や造作、布ののれんなどエコ素材を使用するとのこと。今回新たにトイレも設置するという。

(画像提供:富士急行、「Eiji Mitooka + Don Design Associates」)