西原理恵子原作の絵本を映画化した『いけちゃんとぼく』が、20日に公開初日を迎えた。東京・新宿で行われた初日舞台挨拶に、主人公・ヨシオ役の深澤嵐のほか、ともさかりえ、萩原聖人らが登壇した。

ヨシオの母役のともさかは、「映画を見た気持ちを、ぜひお友達や家族にも伝えてください」

深澤はケンカのシーンを振り返り、「痛くはないけど、だんだん嫌になることも(笑)」

いけちゃんの人形を持って現れた深澤は、「去年の夏、西原さんの出身地の高知県で撮影しました。僕は(劇中で)殴られっぱなしだったけど(笑)、みんなと仲良くなって楽しく撮影できました」。いけちゃんの声を担当した蒼井優については、「アフレコの時に一緒で、すごく楽しかったです。いろんな声に変化するのですごい人だなと思いました。いい勉強になりました」とコメントした。

続いて萩原は、「今日は大人が駆り出されているけど、あくまで主役は子供たち。映画を見て惜しみない拍手を送っていただければ、我々大人も嬉しいです」と挨拶した。

ヨシオの母を演じたともさかは、「これまでもお母さん役は何度かあったけど、うちの息子と照らし合わせて考えることは多くなかったんです。でも今回は、『4歳になる息子も、ヨシオ君みたいに傷つきながら少年になっていくんだろうな……』とセンチメンタルに気分になりました」。また、深澤の印象を、「嵐君は本当にいい子で。ぜひうちの息子にも、彼の爪の垢を煎じて飲ませたいと思います(笑)」と話し、観客の笑いを誘った。

「いままで演じた中でも、一番自分に似ていたかも」と自らの役について述べた萩原聖人

モト冬樹は、「高知が暑くてハゲちゃうんじゃないかと思いました」と自虐ネタで笑わせた

蓮佛美沙子は、「今回は二役だけど、ある意味"一人三役"のつもりで演じていました」

原作者の西原理恵子

清じい役のモト冬樹は、「映画のために初めてヒゲを生やしました。そしたらみんなに『ヒゲ生やさないで髪の毛を生やせ!』と言われて(笑)。あと清じいは空手の達人なのでワイヤーアクションもあって、『老人虐待じゃないか!?』とも思ったけど、いい経験をさせていただきましたね」。ちなみにMCから、「この映画はモトさんの婚約者の方もご覧になったのですか?」と聞かれると、「なんじゃそら(笑)」とはぐらかす場面も。

原作者の西原氏も、「息子のランドセルの落書きから生まれたいけちゃんが、まさか映画になるとは……」と感慨深げ。「いままで下品な漫画が主流だったけど、初めてよそのお母さまにも見ていただけるような作品ができました。ありがとうございます」と胸を張った。

『いけちゃんとぼく』は現在全国公開中。

右端は今回が初メガホンとなる大岡俊彦監督