財務省は13日、2008年度の国際収支状況(速報)を発表した。貿易収支 / サービス収支 / 所得収支 / 経常移転収支の合計を指す「経常収支」は、12兆2,291億円の黒字で、前年度より12兆3,152億円(50.2%)減少。貿易収支と所得収支の黒字幅がともに縮小に転じたことが要因で、過去最大の減少率となる。また、黒字幅が縮小したのは、2001年度以来7年ぶり。

輸出額から輸入額(運賃、保険料を除く)を差し引いた貿易収支は、前年度比10兆5,157億円(90.0%)減の1兆1,704億円の黒字。輸出が輸入の減少幅を上回ったことで、過去最大の減少額とのこと。輸出は67兆7,249億円(前年同月比13兆2,196億円減)、輸入は66兆5,545億円(同2兆7,039億円減)。所得収支は14兆5,593億円の黒字で、前年同月より2兆1,951億円の減少。証券投資収益及び直接投資収益の黒字幅がともに縮小したことから、所得収支は2002年度以来6年ぶりに黒字幅が縮小した。

また同日、財務省は3月の国際収支状況(速報)を発表。経常収支は1兆4,856億円で、2カ月連続で黒字幅が拡大した。前年同月比では1兆4,169億円(48.8%)減。

貿易収支は1,329億円の黒字だったが、前年同月では1兆1,127億円(89.3%)の減少。輸出が輸入の減少幅を上回ったことから、貿易収支の黒字幅が縮小したためとみられる。

輸出は前年同月比3兆4215億円(46.5%)減の3兆9,298億円。対前年同月と比べて6カ月連続の減少で、1985年1月以降最大の減少額となった。輸入は同2兆3,088億円(37.8%)減の3兆7,969億円で、同5カ月連続減。所得収支は、前年同月比2,551億円(13.0%)減の1兆7,041億円の黒字で、証券投資収益の黒字幅の縮小が継続したこと等により、対前年同月比で6カ月連続の縮小となった。