流行語大賞ノミネートにドラマ化など、今や空前の"婚活"ブーム。しかし、ふと冷静に考えてみると、なぜそんなに結婚したいの? 結婚って必要なの? そもそも「結婚」とは何? 未婚率も増加し、離婚率も高い中、編集部では改めて「結婚」を見つめ直してみる必要があると考えました。

今回は結婚に関してのプロである結婚相談所「関西ブライダル」の代表取締役の杉山貞之さんと、ブライダルアドバイザーの三江奈奈さんに結婚について色々な疑問をぶつけてみました。その答えを本日から5回にわたって紹介していきます(以下、敬称略)。

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結婚相談所「関西ブライダル」

1992年、関西ブライダル結婚情報センターとして営業を開始し、1998年に現在の「関西ブライダル」に改名。会員登録数は約4万3,000人と業界トップクラスで、結婚相手紹介サービス業における認証制度「マル適マーク」も取得。結婚に至るまでの仲介業務を行い、「センスアップセミナー」や「結婚塾」などを通した指導・アドバイスにも力を入れている。お見合いパーティーなどの出会いの提供もしており、「バツイチ婚活パーティー」や「スーパーエグゼクティブパーティー」などの企画も好評を得ている。また、結婚後も含めたアドバイスを行うために、スタッフの「ライフデザインカウンセラー」の資格取得を積極的に行う。ホームページは「関西ブライダル」のほか、パーティー情報を中心とした「関西ブライダルパーティー」がある。

──"婚活"ブームと言われていますが、結婚したい人は本当に増えているのでしょうか?

三江奈奈さん

三江「婚活ブームは女性の背中を押したようで、特に30代後半以降のいわゆるアラフォー女性の相談が増えています。必死さが伝わってきますね。

これまで独身の友達が周りに多い環境の中でのんびりとしてきて、結婚は考えていたけれど『そのうちに』と楽観的に考えていたようです。仕事も続けていきたいし、自分で独立して開業するなど仕事優先に生きてきて、婚期が遅れたという理由もあります。

結婚相談所に対しても少し偏見があったようで、『結婚相談所にはお世話になりたくない』、そして何よりも『結婚相手は絶対に自分で探す』というプライドが大きかったようです。しかし、友達も結婚していき、婚活の風潮に乗って『みんなも頑張っているから、私も頑張ろうと決心した』と、皆さん言います。『自分自身のこだわりの強さが婚期を遅らせたかな』と本音も漏らしますね。年齢を重ねるほどプライドも強くなるし、人間も出来上がっている年代ですし、結婚相手への条件の妥協は難しかったことが、話をしていて分かります。」

杉山貞之さん

杉山「まず母親が相談に来て、その話を聞いて次に本人が来て、その後母親と本人が一緒に来て入会というケースも目立ってきています。35歳くらいの娘を持つ母親なら、娘が結婚しなければ彼氏もおらず、『どうなってるの?』と気になるのが本音でも、いきなり『結婚相手は自分で探すことができる』と思っている娘に言ったらプライドを傷つけて親子喧嘩にしかなりません。だから、まず先に母親一人で来てもらいます。」

三江「女性は問い合わせやパーティーへの参加、入会も多く積極的なのに比べ、男性はどうしているのでしょうか? 心配になります(笑)。相談にくる皆さんの9割は男女共に『出会いがない』と言います。不思議なことに、まだ若い20代女性もです。たとえば、この不景気によるリストラなどによって会社にはパートが増えて女性は既婚女性ばかりや、合コンは少し軽い気がして腰が引けたりするようです。

特に男性は、積極的な男性ならば仕事の後に飲みに行ったりすると自然と出会いがありますが、会社と自宅の往復のみという男性にとっては、自分から動いてプライベートの時間を充実させない限り『出会いがない』と言えるでしょう。女性にとっては、独身男性が周りにいたとしても、自分の理想に合う男性との『出会いがない』のです。」

杉山「さらに仕事は忙しく、不景気で神経を尖らせている分、恋愛も遠のいて今の独身という状況になっているのでしょう。女性も所得が高くなっており、結婚しなくても十分な生活ができるとあれば、『いい人がいれば』と結婚意識があっても、実際にいい人が見つからないので35歳を過ぎたという結果になっています。自分も結婚したいと気付くには、仲の良い友達が結婚して自宅へ食事に招かれた時など、何かしらのきっかけが必要ですね。」

(つづく)

【インタビュー】婚活にちょっと一息、プロに聞く「結婚」の意味

  1. 本当に婚活は盛り上がっているの?
  2. 結婚しない人と結婚したい人、それぞれの事情
  3. なぜ結婚しなきゃいけないの?
  4. 「恋愛は結婚の延長線上」か「恋愛と結婚は別」か
  5. 結婚できる、できないの境界線