今夏公開の映画『蟹工船』の完成披露試写会が10日、都内で行われ、主演の松田龍平ほか、西島秀俊、高良健吾、SABU監督らが舞台挨拶に立った。

『蟹工船』で主演する松田龍平

『蟹工船』は、1929年に出版された小林多喜二のプロレタリア小説が原作で、2008年には流行語大賞トップ10にも選ばれるなどブームを巻き起こし、原作は売り上げ160万部を超えるベストセラーとなった。これをSABU監督が現代風に大胆なアレンジを施し映画化し、松田龍平を主演に迎え、ほか男性を中心とした個性的なキャストが集結。カムチャッカ沖で獲った蟹を船上で缶詰に加工する船「博光丸」の過酷な労働環境下で働く労働者たちを描く。

松田は「役を通じてパワーをもらいました。この作品を見ていただいたら皆さんにも伝わると思います」と自信を見せ、「衣装やセットが奇抜。SABUさんの世界が世界観が表われてますし、辛い話の中に光を入れてくれたんです」とコメント。SABU監督も「龍平くんが演説するシーンがこの作品のポイントなんですが、これが期待以上に素晴らしい演技でした」と絶賛した。その松田の佇まいと熱演ぶりに共演者たちがみんな引き込まれていったという。

プライベートでも松田と親交があるという新井浩文は「松田くんは今回も格好よかったです。僕はどう見られているか気になりますが」と振ると、松田は「その質問には答えないですけどね」と返し、会場の笑いを誘う

映画初出演となるTKO。「僕らも東京進出5回目となる苦労している芸人です。"あきらめずに"をリンクさせながら人生を考えましたね」と木下。これに木本は「『オレらの映画やな』と2人で話していました」と役柄と自分を重ね合わせていた

蟹工船の労働者はすべて男性。男同士、出演者たちも仲良くなったらしく、柄本時生は「オセロが一番楽しかった(笑)」と話すと、SABU監督も「現場でオセロをやらせないようにするのに苦労しました(笑)」苦笑い。さらに高良からは「僕、甲殻類アレルギーなんです」という発言も飛び出し、TKOの2人からは「それだけは言うたらあかんやろ!」とツッコミを入れられていた。

写真左から、TKOの木本と木下、新井、松田、西島、高良、柄本、SABU監督

(C)2009「蟹工船」製作委員会