電車を撮るなら「床下見学ルート」へ

さらに奥に行くと、西武6000系と東京メトロ7000系が並んでいる。ここはあとで撮影会が行われる場所だ。電車の周囲が立ち入り禁止となって、電車だけをきれいに撮れるようにするとのこと。それまで時間ができたので、いったんスタート地点に戻る。こんどはもうひとつのルート、名づけて「床下見学ルート」に行ってみよう。

まずは非常通話体験コーナー。電車内に設置された非常通話ボタンを押すとどうなるかを体験できる。電車はこども向けのミニサイズで、通話ボタンを押すと車掌さんがお話ししてくれる……という仕組み。ときどき車掌さんがニヤニヤしていたけれど、あの子はどんな話をしていたんだろう。しゃがみっぱなしの車掌さん、お疲れ様です。

非常通話体験コーナー

床下機器のひみつがわかるぞ

電車の下回り見学コースは、メカ好きをワクワクさせてくれる。床下機器の一部のフタが開いて、電子機器をじっくり観察できるのだ。界磁チョッパ装置、主制御機、台車に組み込まれた主電動機、連結器の下に設置された電気連結器などに、丁寧な解説ボードが付いていた。こちらのルートの見所はこれだけ。この先は車輪転削場で「イベントルート」に合流する。しかし、実はこのルートのお楽しみは、展示車以外の電車が撮れること。通路が電車区の中央寄りのため、立ち入り禁止エリアに留置された電車を望遠レンズで狙える。人が映り込まない姿で電車を撮りたいならこちらがおススメだ。

再び撮影会エリアへ

たっぷり電車を撮った後、イベントルートをもう一度進んで撮影会エリアに行く。立ち入り禁止区域が拡大されて、編成写真を撮りやすくなっていた。「撮ったらすぐに下がって次の人に譲りましょう。わかりましたか?」と係員。「はーい! 」と大きなお友達たちが斉唱してスタート。呼びかけが効いているのか、とってもスムーズに進行していた。この撮影会場からは、築堤上の池袋線を通過する電車も狙える。その電車の流し撮りにチャレンジする親子の姿もあった。

留置車両も撮り放題

撮影会でベストショットを狙おう

たっぷり電車と触れ合って会場を後にする。それにしても今日はよく歩いた。小手指電車区は敷地面積が約65平方メートル、電車の収容能力は346両だそう。線路に沿うようにして東西に長く造られていて、10両編成の電車がタテに3本収容できる。ということは、1両が20mで10両編成は200m、それが3本並んで600m。車間距離も含めて端から端まで往復すると約1.5kmだろうか。これを3回ほど繰り返した。いただいたチョコレートぶんのカロリーは消費できたに違いない(笑)。

西武鉄道によると、「Valentine 小手指車両基地Day」は2007年に初開催。昨年はスマイルトレイン30000系のお披露目があったので休止し、今回が2度目の開催だった。同社は車両基地公開イベントに積極的で、6月には武蔵丘車両検修場で「西武・電車フェスタ」、夏休みには南入曽車両基地にて「電車夏まつり」、鉄道の日の時期には横瀬車両基地で「西武トレインフェスティバル」を開催している。「Valentine 小手指車両基地Day」もそうした定例イベントにしていきたいとのことだ。