2008年12月3日。師走だというのに、今年は新車の発表や試乗会では自動車メディアの業界は大忙し。とくに12月12日までは、毎日のようにどこかで発表会や試乗会が開催されている。
その先頭を切って開催された試乗会の一つが「レクサスオールラインナップ」試乗会。ISのマイナーチェンジの試乗会も兼ねての開催だったが、会場の富士スピードウェイにあるレクサスカレッジの玄関に置かれていたのは、何と新型のRX450h。まさにサプライズ!! LAショーでは姿を見せていたが、実車を日本で公開するのはこれが初。
日本市場以外で展開するレクサスにはSUVであるRXが存在していた。北米でレクサスがプレゼンスを高められたのは、RXが成功したからといっても過言ではない。だが、日本市場では当時レクサスブランドを導入していなかったため、RXをハリアーとして販売してきた。
だが、現在は日本でもレクサスを導入したため、新型RXは日本にも2009年から導入されることが決まっている。まずガソリンエンジン搭載のRX350が2009年頭に登場し、ハイブリッドのRX450hは少し遅れて春にローンチされる。
試乗会場に置かれていたのは日本仕様ではなく北米市場向けのモデルだが、その内容は日本仕様とほぼ同様。現行ハリアーハイブリッドは全長4755mmだが、新型RX450hは4770mmと15mm大きく、全幅も拡大され、現行の1845mmから1885mmに40mm大きくなる。全高は1690mmで変わらないため、ややワイドなプロポーションだ。
だが実車を見ると大きく見える。フロントバンパーからグリルの造形は彫が深くシャープで、レクサスらしいフロントフェイスに仕上がっている。グリルから続いて切れ上がるヘッドライトのデザインもクールな仕上がりを見せる。この北米仕様はHIDプロジェクターライトだが、日本仕様はもちろん高輝度LEDを使った3連プロジェクターのLEDヘッドライトを採用する。ライトユニットはレクサスLS600hのそれと同じだ。
リヤサイドウインドーの後端のデザインは、レクサスのデザインに共通するLフィネスを盛り込んだもの。こうしたクリーンでクールなデザインはレクサスユーザーに受け入れられるだろうし、従来のハリアーユーザーも違和感を抱かないだろう。ただし、レクサスブランドに移行したため、車両価格はハリアーハイブリッドよりかなり高くなるはずだ。
インテリアも作り込みのよさを感じさせる。柔らかく触感のいい本革シートが高級さを感じさせるし、インパネのデザインや質感がレクサスブランドらしくなった。北米仕様にはナビが装着されていなかったが、日本仕様は新しいナビシステムを採用する。大きな違いはインタフェースだ。BMWのiドライブから欧州プレミアムブランドは、ダイヤル式のコマンダーを採用するようになった。ダイヤル式は慣れないと使いづらいが、レクサスはコンソール前にコンピューターのマウスに似たインタフェースを付け、直感的に使えるようにしている。
この北米仕様のリヤサスの写真を見るとわかるが、リヤに駆動用のモーターを搭載していない。ハリアーハイブリッドが電気モーターによる4WDのE-Fourのみだったが、北米は従来からFFのハイブリッドが存在していた。日本では新型RXも4WDのE-Fourのみで、当面FFは設定しないという。だが、4WDはどうしても価格が高くなるため、販売状況を見て日本市場にもFFを追加するか検討するようだ。
今回はサプライズでモータージャーナリストにRX450hが公開されたが、新しくオープンした東京・青山のレクサスインターナショナルギャラリー青山で、2008年12月5日(金)からRX350の北米仕様を見ることができる。年が明けた2009年1月5日(月)~1月18日(日)まで(12月28日~2009年1月4日は休業)は、ハイブリッドのRX450h北米仕様が展示される。
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ハリアーハイブリッドは丸い感じのデザインだったが、レクサスデザインのLフィネスを感じさせるシャープでクールな印象だ |
やや下側からのアングルから見ると、SUVらしくフロントバンパーの下側を切り取ってアプローチアングルを稼いでいるのがわかる。プレミアムSUVでも走破性を捨ててはいない |
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フロントバンパー下部にはラジエタークーリング用のスリットが入れられ、空力に配慮したアンダーカバーのデザインが見られる |
ドアミラーには、右左折時の安全性を高めるターンランプが内蔵されている。デザインがきれいだ |
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リヤバンパー下にフィンを付け、空力特性を向上させようとしている。マフラーは砲弾タイプだ |
リヤサス部分を見るとわかるが、リヤにモーターやドライブシャフトがない。北米仕様のRX450hは4WDのE-Fourのほかに、FFを選ぶことができる |