最後に、今後のWOWがどうなっていくのか、記者会見をもとにお伝えしよう。WOW会期最終日に行われたWOW主催者による記者会見では、第1回WOWの発起人であり、現WOWアート・ディレクターのスージー・モントクリフ氏、今回のショーの振付師マリア・ジョンストン氏、WOW総合グランプリ受賞経験のある若手デザイナーのクレア・プレブル氏が出席。WOWの歴史や今回のコンセプトとテーマ、WOWの将来性について語ってくれた。
--最初のWOWを開催した時のことを教えてください。
スージー・モントクリフ氏(以下、モントクリフ氏)「WOWの最初の回(1987年)は、ローカルで開催したけれど、コンセプトが全然伝わっていなかったように思います。けれども、2~3年で伝えることができ、ビジネススポンサーがついたのは最初の回から7年目のこと。それからは雪だるまのように(WOWが)大きくなっていきました。印象に残っているのは1988年のWOWで、豚をシンデレラに変える、という取り組みを行いました」
--今回のWOWは20周年だが、ショーの中でとくに意識したことは何ですか。
モントクリフ氏「ショーの最後に演出でとりいれたケーキ。20周年のお祝いを意味しています。それと、歴史を振り返るという意味で、各部門で昔の衣装を入れたことも意識しました」
--WOWを世界的規模にするために意識していることはありますか。
モントクリフ氏「まずコンセプトの説明が大事だと思っています。国によってどう表現すればいいのか、これから考えていかなければなりません。また、モデルの着替えも10回に留めたのもWOWを世界的なものにするために行ったことです」
--世界で開催する際に希望しているエリア・国はありますか。
モントクリフ氏「とくにありません。いずれにしてもタイミング次第だと思っています」
--振り付けをする上で工夫した点は何ですか。
マリア・ションストン氏「まず、衣装をみて、各ドレスのコンセプトに合う振り付けをつけることを第一に考え、1年かけて様々なダンスからアイディアを考えました。また、モデルはプロではなく、一般公募によるものですが、今回は『このメンバーならやれる』という確信を得られました。練習の際は、どの衣装もとても壊れやすいものなので、衣装を着て練習するのは1、2回に留めるようにしました」
--衣装を作り上げる時間はどれくらいかかるのでしょうか。
クレア・プレブル氏「今回のマオリ文化のコンセプトにしたものは6週間かかりました。2004年に最高賞をいただいたときのものは1,000時間で、どちらも制作中はそのことだけに没頭します」
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京都に在住している牧野三津子さんの作品。Wearable artに見せられて、2007年よりWOWへの応募。今回で応募は2回目で、「今後も活動の場を広め、多くの方に見ていただける作品作りに励みたい」とコメントしている |
今回の応募作品のうち、日本からの応募は1作品のみだったが、「建築インスピレーション」部門で第3位という好成績を残した。そのことについて尋ねてみると、「非常に高いクオリティのものでした。この作品に関しては特に"着る"ことを意識して作られていたのがよかったです。また作品タイトル"アオテアロア(マオリ語で「白い雲がたなびく国」の意味)"と衣装デザインがとても合ったものだったのも評価できました」と賞賛の声があがった。「海外からの応募の場合、大きいドレスなどを送ることは難しいと思いますし、実物を送るのが不可能な場合もあるので、DVDと写真で許可しています。ですが、WOWで求められているのは"大きさ"ではなく、アイディア。小さい箱に収まるような衣装でもいいのです」(スージー・モントクリフ)と、日本を含む海外クリエイターによる応募増加を望んでいることがわかった。
今年のWOWが終わったばかりだが、来年度のWOWに関して尋ねると「応募数を今年の2倍の600にしたい」(スージー・モントクリフ)と意欲を示していた。来年度のコンセプトに関しては「ノーコメント」(同)とのことだが、おそらくすでに次回のWOWについて動き始めているのだろう。ニュージーランド発の唯一無二のアートショー「WOW」―。世界でWOWのショーが見られる日はそう遠くないのかもしれない。
ミニ情報:ニュージーランドへ行くならニュージーランド航空がベスト!
ニュージーランド航空は、成田から直行便が週7本、関西から週5本運航している航空会社。到着は北島のオークランドと南島のクライストチャーチ (ただし復路(ニュージーランド発)はオークランドのみ)。直行便なので、所要時間が10時間~11時間と乗り継ぎ便より断然便利だ。シートは、202cmのフルフラットベッドを採用した「ビジネス・プレミア」から、96~101cmのシートピッチが堪能できるエコノミーとビジネス・プレミアの中間クラス「パシフィック・プレミア」、エコノミー・クラス「パシフィック・エコノミー」となっている。どのシートにも、オンデマンド・エンターテインメントを装備しており、好きな時に映画・音楽などを楽しめるので機内で退屈することはないだろう。そのほか、ニュージーランドに着く前にニュージーランド産のワインも存分に堪能できるので、楽しみにしておこう!