Booksベストセラー週間総合ランキング10月17日~10月23日では、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『DAIGO・ROCK』(DAIGO)の2タイトルが新登場でトップテン入りした。

10月17日~10月23日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
2位 流星の絆(講談社) 東野圭吾
3位 O型自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
4位 蛇王再臨 アルスラーン戦記(13)(光文社) 田中芳樹
5位 A型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
6位 モダンタイムス(講談社) 伊坂幸太郎
7位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
8位 徳間アニメ絵本 崖の上のポニョ(徳間書店) 宮崎駿
9位 もう一軒おつまみ横丁(池田書店) 瀬尾幸子
10位 DAIGO・ROCK(ゴマブックス) DAIGO

新登場6位の『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)は、 漫画週刊誌「モーニング」で連載された長編小説。主人公は、あるプロジェクトへの参加を命じられたシステムエンジニア。しかしその日から、彼の周囲の人々が次々に不幸に巻き込まれていく。彼らには、ある事柄をインターネットで検索していたという共通点があった―。もともと連載小説として書かれたため、各話の終わりごとに次回に期待を持たせる工夫がなされており、長編ながら飽きずに読める一冊になっている。

10位の『DAIGO・ROCK』(DAIGO)は、著者初のフォト&エッセイ集。竹下元総理の孫という毛並みの良さと天真爛漫な言動とのギャップがバラエティ番組などで人気を集めているDAIGOのロック歌手としての面をクローズアップした仕上がりになっている。

単行本フィクション部門では、6位に『左岸』(江國香織)が新登場でランクイン。恋愛を中心に人生を女性の視点から描いた小説で、男性側から恋愛模様を描いた『右岸』(辻仁成)と対を成すものとして同時刊行されている。

今週の注目

空気の読み方(小学館 / 神足裕司 / 税別720円)

「KY(空気読めない)」は他人を揶揄する語として一時流行したが、一部には「空気なんか読まなくてもいい」という反発も起こった。今は「空気読めない」はすでに流行語としてはほぼ廃れた感があるが、そんな時期にあえて刊行されたのが「空気の読み方」。といっても、飲み会や合コンで浮かないためには……といった空気の読み方を指南する本ではない。どちらかというとタイトルより「できるヤツと言わせる『取材力講座』」というサブタイトルのほうが内容を的確に表していると言える一冊だ。

著者が本著を通じて読者に教えたいのは、自分の必要とする情報を会話の流れの中から空気を読んで相手から聞き出す技術だ。自分が所属する組織で自分はどんなポジションにいるのか、目の前の交渉相手は何を求めているのか、それらを聞き出すのは「取材力」だ、と著者は説く。

人から必要な情報を聞き出すことができるのは、何も饒舌な人や頭の回転の早い人、というわけではない。著者は長年職業として取材をこなしてきた経験から、話し相手から肝心な情報を聞き出すテクニックにも精通している。本著ではそれらのノウハウを基本編から上級編まで一挙に公開。会話の上手な誘導や軌道修正の仕方、メモの取り方、質問の仕方など誰でも使える方法が多数収められている。相手の話したいことだけ一方的に話されて終わり……という失敗に陥らないための指南書として即役立ちそうな一冊だ。