ブサイクだった男が突然、誰もがうらやむ"ハンサム"に――。奇想天外なストーリーが話題の映画『ハンサム★スーツ』。公開を間近に控えた22日、東京・新宿で特別試写会がおこなわれた。上映前におこなわれたイベントでは、主演の谷原章介そっくりのお面をつけた"ハンサム隊"100人が見守る中、谷原と塚地武雅、北川景子の出演者3人が登場。

本作では、主人公の大木琢郎(塚地・写真左)が「ハンサム・スーツ」を手に入れ、光山杏仁(谷原・写真右)に変身。同一人物を演じたせいか、イベント中に2人の行動がシンクロする場面もあった

自分そっくりの"ハンサム隊"を目の当たりにした谷原は、「嬉しいような気持ち悪いような、微妙な感じですね」とコメント。立見も出るほどの盛況ぶりに、「本当にありがとうございます。すみません、席が用意できなくて……。そのあたりは僕からの気づかいで許してあげてください(笑)」とにこやかに話すと、会場からどっと笑いが起きた。塚地からも思わず、「ハンサムだね~」の言葉が漏れる。

この日のために集結した、男女100人の"ハンサム隊"

ヒロインを演じた北川は、「塚地さんと谷原さんがすごくコミカルなお芝居をされるので、笑いをこらえるのに必死でした。コメディ映画なので笑えるのはもちろん、感動できるシーンもたくさんあります。映画を楽しんでいただいて、帰った後で友達や家族に、『おもしろかったよ』と言っていただけるといいなと思います」と挨拶した。

琢郎(塚地)が恋心を抱く女性を演じた北川景子

本作では、脚本を担当した鈴木おさむの妻・大島美幸(森三中)も出演。塚地によれば、「映画には美男美女が出てくるものだと、皆さん思ってるじゃないですか。ところがこの映画では、ブサイク2人がスクリーンを占領する時間帯があるんですよ。撮影の最中も、近所の方々から、『何のバラエティですか?』と聞かれるくらい(笑)。映画とは思えない革命的なシーンになっていますので、楽しみにしていてください」。

漫才のような掛け合いを披露

同一人物を演じたこともあって、谷原と塚地のコンビネーションは抜群。イベント中もつねに会場の爆笑を誘っていた。谷原が、「塚地さんは"ブサイク代表"と言ってますけど、愛されるブサイクの代表ですから」と話すと、

塚地「あ……、一瞬喜びましたけど、結局ブサイクなんですよね?」
谷原「ブサイクだけど愛嬌があって、かわいいブサイクの代表です」
塚地「……結局ブサイクなんですね?」
谷原「結局はブサイクなんですけど(笑)」

司会からの「無茶振り」に近い形で、劇中でも披露したビートたけしのギャグ「コマネチ!」を実演した塚地。会場から拍手が起きるも、「『おもしろい!』というより『よくがんばった』的な拍手でしたね」

こんなやり取りも嫌味なく聞こえるところは、"ハンサム"キャラの谷原ならでは。「今回、つらいシーンは塚地さんの担当、僕がおもしろいシーンの担当で、いつもと立場が逆だったんですよ。そしてまた、景子ちゃんがかわいくて…」と、谷原が司会者をさしおいて北川に話を振ると、塚地から、「『王様のブランチ』やないんやから!」とツッコミを入れられる一幕も。

さらには北川からも、「撮影中も2人の会話はおもしろかったんですよ。塚地さんはコンビの相手を変えたほうがいいんじゃないかと思うくらいに(笑)」と言われるほど。2人は終始、漫才コンビのような息の合ったところを見せていた。

「今回はW主演ということで、塚地さんと一緒にできて本当に心強かったです。この作品を皆さんに見ていただけることが、僕らにとって一番の喜び。僕ら製作者の手を離れても、この映画を見てくださる皆さんの中で、『ハンサム★スーツ』が育っていってくれたらと思います」と最後に谷原が挨拶すると、会場は惜しみない拍手に包まれた。

満員の観客と、谷原のお面をつけた"ハンサム隊"をバックに、「レッツ、ハンサム!」のポーズを決める出演者たち。写真左から塚地武雅、谷原章介、北川景子

映画『ハンサム★スーツ』は、11月1日より全国拡大ロードショー。