1909年、ドイツで生まれた「ユースホステル(YH)」は、来年で100周年を迎える。現在、世界80カ国に約4,000、日本国内には約300のユースホステルが存在する(日本ユースホステル協会発行「ホステリングガイド」より)。学生のとき、国内外でお世話になった人もいるだろう。

「横浜ベイサイドYH」の外観

その名称や安さから「若者向け」とも考えがちだが、基本的に年齢制限はない。会員になれば割安になるなど特典があるが、会員でなくとも「ビジター」として利用は可能だ(宿泊費は会員料金+600円)。場所によっては、従来のイメージをくつがえす、ビジネスホテル的な施設もある。ユースホステルは一人旅にも、ロングステイにも向いているのも特徴だ。最近は、なんと熟年層からの人気も高まっているという。

そんななか、2008年春に新装オープンしたばかりの「横浜ベイサイドYH」を訪ねてみた。JR線桜木町駅から徒歩7分ほどの、みなとみらい地区すぐそばにあるユースホステルを、みなさんはご存知だっただろうか。今回は新装した「横浜ベイサイドYH」を中心に、ユースホステル事情をレポートする。

観光にもビジネスにも利用価値大の好立地

JR桜木町駅を出て、横浜駅方面へ進み、ランドマークタワーを背にしながらやや急な坂道を上がる。この辺りは青少年会館などがあり、右手は再開発地域となっている。ここにはもともと「神奈川YH」があったが今年4月、移転リニューアルして「横浜ベイサイドYH」に生まれ変わった。坂の途中を左に折れれば、すぐに建物が現れる。

駅から近いだけではなく、横浜中心街へのアクセスもいい。JR横浜駅も関内駅も桜木町から一駅。どちらも充分に歩ける距離だ。みなとみらい地区のビル群を眺めながら、港まで散策するというのもおすすめ。馬車道を通って、赤レンガパークに立ち寄り、大さん橋で港の風景を眺め、山下公園を散策。帰りは中華街で肉まんを頬張ったりして関内駅から電車で桜木町へ、というのがモデルコースだろうか。

デートスポットとしても有名な山下公園。天気の良い日はのんびりするのもいい

大さん橋の客船ターミナルの上は板張りで、憩いの場となっている

(上)大さん橋からみなとみらい地区を望む。手前は赤レンガパーク(右)横浜といったらやはり中華街は外せない。お粥の朝食もおすすめ

また、東京、渋谷へは電車で30分ほど、鎌倉へも約40分で到着する。羽田空港へは横浜駅から出ているリムジンバスが便利だ。これだけ使い勝手のいいユースホステルは、そうあるものではない。

ちなみに、来年は横浜港開港150周年。 横浜の街はさらに注目される1年となるのは必至だ。