東京會舘にて東映の2009年度ラインナップ発表会が行なわれた。ラインナップ全体の発表会を行なうのは8年ぶりという岡田裕介・東映社長は自ら司会として壇上に上がり、「これまでの東映はスター主義として知られていたが、今回は監督主義で参りたい。ヒットメーカーの監督ばかりを揃えた」と上映作品への自信をアピールした。公開予定順にそのラインナップを紹介する。
まぼろしの邪馬台国 (2008年11月1日公開)
原案:宮崎康平 脚本:大石静 監督:堤幸彦 出演:吉永小百合 / 竹中直人
さだまさし「関白宣言」のモデルとなった宮崎康平・和子夫妻。2人は悲運や貧苦をものともせず、邪馬台国発見のロマンに魅せられていった。邪馬台国ブームを巻き起こしたベストセラー書籍「まぼろしの邪馬台国」を巡る実話物語。支えあい生きていく夫妻を竹中直人・吉永小百合が演じる。また、吉永が卑弥呼に扮することも大きな話題になっている。
近日公開の映画であるため監督はすでにキャンペーン中で、残念ながら今回は欠席となった。
(C)2008「まぼろしの邪馬台国」製作委員会 |
劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!! (2008年12月20日公開)
(C)「2008ゲゲゲの鬼太郎」製作委員会 |
[おまけ上映] ゲゲゲまつりだ!五大鬼太郎
監督:古賀豪 脚本:三条陸 声の出演:高山みなみ 田の中勇
「ゲゲゲの鬼太郎」は今年で生誕40周年。意外にも劇場長編アニメ作品は今回が初となる。世界中の妖怪たちと鬼太郎の間に史上最大のバトルが展開される。また全国の6エリアで、その地域でしか観られないご当地バージョンが上映されるという邦画史上初の試みもある。
古賀豪監督は「40年の集大成として、鬼太郎アニメの歴史の要素を詰め込み、みんなが見たい鬼太郎に仕上げました。ドラマ部分に力を入れたので大人でも楽しめると思います」とアピールした。
ふうけもん (2009年1月17日公開)
脚本:国分洋・栗山富夫 監督:栗山富夫 出演:中村雅俊 浅野ゆう子 河相我聞 垣内彩 相川翔 中村玉緒
裏社会に生きるチンピラの右京(中村雅俊)があるとき心機一転、人の役にたつため便利屋家業をスタート。人と人の架け橋となるべく奔走する「ふうけもん」となった男の、実話に基づく感動ドラマ。
「ふうけもん」とは、佐賀で愛着をこめ「馬鹿」「愚か者」の意味で使われる。栗山富雄監督によると、頑固で、自分なりの美学を持つ人もさすという。栗山監督は「映画関係者はみな、ふうけもんのようなものと思います。ふうけもんが『ふうけもん』を撮りました」と挨拶した。
少年メリケンサック (2009年2月14日公開)
4月に行われた制作発表会見より |
監督・脚本:宮藤官九郎 出演:宮崎あおい 木村祐一 勝地涼 ユースケ・サンタマリア 佐藤浩市
ヒットメーカー宮藤官九郎の2作目監督作品は、宮崎あおい扮するレコード会社のOLがひょんなことからオッサンばかりのパンクバンドと全国ツアーに出るはめになってしまうというコメディ。
宮藤監督は「僕はパンクロックが大好きで、石井聰亙監督の『爆裂都市』のファンだった。でも時代は変わり、最近ではオーディションなどで若い人に『パンク知ってる?』と聞いても『いや、知らないです』と言われてしまうのが寂しくて。若い人がこれを観たら『ああ、80年代はこういうバンドがあったんだな』と思ってもらえると思います」と作品を語った。
第21回東京国際映画祭特別招待作品として、六本木会場(TOHOシネマズ 六本木ヒルズ)にて10月19日(日)に先行上映が決定している。