毎月返済だけで返済をしている人、またはボーナス返済も併用しているけれど、まだまだボーナスに余裕のある人は、ボーナス返済の増額をすることで毎月返済額を減らすことができます。1年間の返済額はそのままで毎月返済分からボーナス返済分にまわすだけですから、総返済額でトクをするわけではありませんが、とにかく毎月返済額を減らしたい、という人には使える手です。ただし、金融機関やローン商品によっては条件変更ができない場合もあります。

【Case4】いくらボーナスにまわしたら、毎月どれくらいラクになる?

ローンの条件

借入額 : 3500万円
借入時の金利 : 1%(固定金利選択型3年もの)
当初3年間の毎月返済額 : 9万8,799円
返済4年目以降の毎月返済額 : 12万9,375円(変動金利2.875%を選択した場合)

■ローン残高の何割をボーナス返済にしたら、返済額はこう変わる

ボーナスで
返済する割合
毎月返済額 ボーナス月返済額 条件変更しない
場合との毎月の差
約1割(320万円) 11万6,394円 19万4,406円 1万2,981円
約2割(650万円) 10万3,439円 25万9,463円 2万5,936円
約3割(950万円) 9万484円 32万4,520円 3万8,891円
約4割(1300万円) 7万7,529円 38万9,577円 5万1,846円
約5割(1620万円) 6万4,774円 45万3,634円 6万4,601円

※条件変更時のローン残高は3,245万円。

繰り上げ返済する資金はない、最長返済額で借りてしまったので返済期間の延長もできない、という人が毎月返済額を減らすための方法は、ボーナス返済の増額です。家計の状況によって、毎月返済額とボーナス返済額のバランスを決めることができるのが、この方法のメリット。ただし、ボーナスは勤務先の業績によって金額が上下するものです。ボーナス返済を増やし過ぎて、支給額よりも返済額が多くなるというリスクは避けるようにしましょう。

これから住宅ローンを借りるなら将来のライフプランも考えて選ぼう

長期にわたって高額の借入額を返済し続ける住宅ローン。返済中には収入の増減や思わぬ出費など、さまざまな収支の変化があるでしょう。将来、金利が上昇して返済額が増えるのは不安という人は、完済まで金利が変わらない完全固定金利型のローンにするなど、将来のライフプランや、求める安心度などに合わせて資金計画を立てるようにしましょう。

著者プロフィール
田方みき(たがた・みき)
住宅ライター。広告制作プロダクション勤務後、独立。現在は主に、住宅ローンや税金など、住宅にかかわるお金について雑誌やウエブなどで執筆および編集に携わる。共著書に「マンションは絶対中古を買いなさい!」(成美堂出版)