浅尾美和(エスワン)

栃木県小山市にある白鴎大学で27日、「ホワイトサンドビーチ」オープニングイベントが開催され、ゲスト選手としてビーチバレーの浅尾美和(エスワン)、西堀健実(エスワン)らが出席。海のない栃木県のJR小山駅前に突如現れた白い砂浜が、300人近い人で埋め尽くされ、オープンを祝うテープカットや、2人のトークショー、地元の子供たちとともにビーチバレー教室などが行なわれた。


テープカットには白鴎大学学長で衆議院議員の森山眞弓氏も参加。海のない栃木県の小山駅前に出現した砂浜を前に、浅尾・西堀は驚くばかり

ホワイトサンドビーチは、小山駅東口前の駐車場内の約300坪の敷地に、ビーチバレーコート2面、ビーチサッカーコート1面を特設した屋外運動・レクリエーション施設。27日から11月30日までの2カ月間、小山市民に無料開放される。その初日となる同日、テープカットには白鴎大学学長で衆議院議員の森山眞弓氏も参加し、地元の栃木にビーチが出現したことを祝して、同施設の積極的な活用を提唱した。

ホワイトサンドビーチは、JR東北本線小山駅東口すぐ。ビーチバレー用コート2面とビーチサッカー用コート1面が使用できる。シャワーつきの更衣室も完備。開催期間は9月27日~11月30日、利用時間は11時00分~22時30分。収容人数は200人

同施設に敷かれた砂「ホワイトサンド」(500トン)は、オーストラリア・ブリスベンの浜辺から運ばれたもの。天然素材のホワイトサンドは主に耐熱ガラスの原料として使用されている

もちろん、2人もホワイトサンドビーチを見るのは初めて。西堀が「日本の砂って比較的に色が黒いんですね。水を含んでいて。でもこのビーチは海外の砂浜みたい。すばらしいなと思いました」と語ると、浅尾は「ビーチバレーって(砂に)飛び込んだりして、身体や顔にすごい砂が付くんです。あとでテレビの映像を見ると、顔に黒いのが付いている。かっこ悪いなーと思ってたんですね。でも、こういう白い砂だとキレイに見えるからいいですね」と好感触な印象を語った。

「こういう駅前に砂浜があれば、ビーチのスポーツが気軽にできるのでいいですね」(西堀)

「砂がすごくサラサラで、日本とはぜんぜん違う。合格です!」(浅尾)

今回のプロジェクトは、ガラス素材を扱う製造メーカーであるハリオグラスが主催となり、白鴎大学の協力を得て実現したもの。ハリオグラスのCSRとしての取り組みのひとつで、茨城県古河市に製造工場を持つ同社が、周辺地域の活性化のために貢献した事例だ。「けいしゃ」とも呼ばれるホワイトサンドは、同社が製造するガラス製品の原料に使用している天然素材。今回、この小山駅前の敷地に約500トンものホワイトサンドが敷かれた。

短期間の開催となるが、この白い浜辺に浅尾は期待を込めて「街の人が気軽に(ビーチバレーコートを)利用できるというのはいいこと。例えばドイツの場合、街の中にコートがあって、仕事帰りに気軽にビーチバレーをしたりと、それが生活の一部になっている。そういう意味で、こういう場でビーチバレーがもっともっと広まればいいなと思いますね」とコメント。また、西堀も「ビーチバレーをするには海に行かなければならないというイメージがあるが、こうして駅に隣接しているので、気軽にできていいことだなと思いますね」と語った。

「オフのときは、髪を切りに行ったり、銀行に行ったり、日用雑貨を買いに行ったり。本当に限られた時間しかないから、やらなければならないことをリスト化しています」(浅尾)

さて、4年後のロンドン五輪へ向けて、2人はどう準備しているのか。まず、これからやってくるシーズンオフの練習について語ってくれた。「これから冬に入りますが、『冬は体育館で練習してるの?』って聞かれます。冬場も砂の上でたくさん練習しています。それから週3~4回はジムでウェイトトレーニング。筋トレをしています。冬場の練習は凍傷になってしまうので、専用の靴下を着用して練習しますね」と浅尾。西堀は浅尾との仲について、「いっしょにいる時間が多いので、自然とお互いの考えがわかりますね。私、双子なんですけど、妹よりもいっしょにいるので、(浅尾の思っていることが)だいたいわかりますね」と語った。ロンドンへ向けて浅尾は、「北京に出ていた選手たちのレベルと自分のレベルがぜんぜん違うなと思いました。これからはその差をうめるための、イメージトレーニングなどをはじめとした練習に時間を費やしていくつもりです」と述べた。

ビーチバレー教室の様子。「こうしてみなさんのすぐ近くにビーチバレーができる環境ができたので、この機会にぜひ体験してみてください」と語った浅尾は、彼女の周りに集まった多くの子供たちとビーチバレーを楽しみ、時間を忘れてボールを追いかけていた

「私にとってビーチバレーは最優先。まず第一に考えて生活をしている。生活の中心になっている。スポーツマンは結果を残すことで人に良い評価をしてもらえるので、このオフシーズンは、合宿を含めてレベルアップしていきたい」(浅尾)