10月18日から26日まで開催されるアジア最大規模の映画祭、第21回東京国際映画祭のラインアップ発表会見が18日に東京・六本木ヒルズで行われ、同映画祭のコンペティション部門に出品されることになった『コトバのない冬』の渡部篤郎監督と主演の高岡早紀、『ブタがいた教室』の前田哲監督が出席した。

左から渡部篤郎、高岡早紀、前田哲

東京国際映画祭は、日本で唯一の国際映画製作者連盟に公認されている国際映画祭として1985年から開催され、日本の映画産業や文化振興に大きな足跡を残してきた。21回目を数える今年は、"エコロジー"がテーマ。従来の4つの基幹部門(コンペティション、特別招待作品、アジアの風、日本映画・ある視点)に加え、新たに環境問題をテーマにした部門"natural TIFF"などを設置し、レッドカーペットをグリーンに変えてそのグリーンカーペットがペットボトルで作るなど、映画祭を通して地球環境の大切さを発信していく。

また、最優秀作品賞の"東京サクラグランプリ"を選出するコンペティション部門には、渡部篤郎の長編初監督作品『コトバのない冬』、妻夫木聡が初めて教師役を演じた『ブタがいた教室』、巨匠イエジー・スコリモフスキー監督の『アンナと過ごした4日間』など15本の話題作がノミネート。オープニングは特別招待作品に出品された『レッドクリフ PartⅠ』、クロージングは『ウォーリー』にそれぞれ決定した。同映画祭の審査委員長はジョン・ヴォイト、審査委員はフォ・ジェンチー、マイケル・グラスコフ、セザール・シャローン、檀ふみ、高田宏治が務める。コンペティション部門全15作品リストはこちら

日本映画国際振興協会理事長の高井英幸氏(左)と今年から東京国際映画祭のチェアマンに就任した依田巽氏

コンペティション部門で長編初監督作品『コトバのない冬』がノミネートされた渡部篤郎は「この作品は古くからの仲間たちと一から作ることができ、それだけでも嬉しいのに映画祭に出られることができて凄く嬉しいです。アドリブっぽいことは高岡早紀さんをはじめ俳優さんたちの力で、台詞を読むのではなくて言葉を話しているということを皆さんがとても上手くやってくれたと思います」と自信を覗かせていた。一方の高岡は「私もこのような素敵な映画祭に、渡部監督さんの作品がノミネートされたことを心から嬉しく思います。冬の北海道は、この撮影が初めて。信じられないぐらいの薄着をした渡部さんが率先して雪かきをしている姿を目の当たりにし、スタッフとキャストみんなが渡部さんのために何かをしたいと一丸になった作品です」と作品のエピソードを語っていた。

「役者さんたちが台本の台詞から色んなことを連想してどんどん広げていくなど、大変だったんですよ(笑)」と語る高岡早紀

初監督作がノミネートされたことに終始笑顔を見せていた渡部篤郎