現在、テレビ東京ほかにて放送中のTVアニメ『モノクローム・ファクター』のEDテーマで、主人公・昶(あきら)とその友人である賢吾が歌うデュエットソング「AWAKE~僕のすべて~」が5月28日にリリースされた。弊誌にてコラム「夢のあしあと」を担当している松澤由美が作詞を手掛けていることでも話題のタイトルだ。そこで今回は、昶の声を担当している小野大輔と賢吾の声を担当している神谷浩史から届いたコメントを紹介してみよう。なお、小野大輔は、EDテーマと同日に発売されたキャラクターソングCDシリーズ第1弾の感想も語ってくれている。

小野大輔が語る『モノクローム・ファクター』の世界

TVアニメ『モノクローム・ファクター』で二海堂昶を演じる小野大輔

――まずエンディングテーマ「AWAKE~僕のすべて~」についてお聞きします。番組のエンディングテーマを歌うというお話を聞いたときの感想は?
小野「アニメのエンディングを歌うということは、すごい大役を仰せつかったなと、本当に心が縮み上がる思いでした。オープニングとエンディングって、その作品の看板みたいなイメージがあって、その看板を僕等が背負うというのが……。もちろん役者としては背負っているんですけど、歌い手としても背負わなければならないっていうのが、最初、「重いな!」と思いました。でも歌ってみたら、やっぱりキャラクターソングですし、歌でキャラクターを表現する、世界観を表現するという所にだけ集中できたので、楽しかったです」

――たしかに小さいときのアニメは内容を覚えてなくても主題歌は覚えていたりしますよね
小野「そうなんですよ。昔のアニメの話をしていると『主題歌はこんな歌だったよね』って出てくるんですよね。そこを担うっていうのが、すっごいことだなと思いました」

――この曲も結構、頭に残るタイプの曲ですよね
小野「そう、サビが頭からずっと離れなくて。これは神谷さんも言ってましたね。そういう意味では、ずっと残っていく歌なのかなって。聴いた方の心に残って行くといいなと思います」

――ちなみに神谷さんとのデュエットはいかがでしたか?
小野「神谷さんとのデュエットは以前にもやったことがあるので、不安はなかったですね。ピッタリ合うという確信があったので、まったく不安はなかったです」

――楽曲の印象は?
小野「歌詞が、言葉遊びと世界観を大事にしているところが、心地いいというか、『いいな』と直感的に思いました。それで神谷さんに聞いたら、作詞の松澤さんは神谷さんのデビュー作のオープニングを歌っていた方で。そういう縁って大事だなと思うし、歌詞から得るものが大きかったので、大事に歌って行こうと思いました。最後のサビの『dark and light』っていうところのメロディが印象的で、録る前の1週間くらいは、日常生活でもリフレインしているような状況でしたね(笑)。ずっと頭の中に響いてるんですよ。歌った後もそれが残ってて。でも、本当にそういう曲ってなかなかないですよ。僕の経験でもなかなかない事で、曲が体に染み付いた感じですね」

――次に、キャラクターソング「Destiny」についてですが、すごくハマっていてかなりカッコ良かったです。こういうハードなロック調テイストの曲は、小野さん自身も結構歌っているんですか?
小野「キャラクターソングという点では、ハードなロックは初めてではないんですけど、何回も歌った事のある曲調ではないですね。キャラクターソングって、最初にキャラクターありきだと思うんですが、そこを外れずに歌うという意味でいうと、うまくいったと思います。昶というキャラクターとロックという曲調がすごくリンクしているんです」

――たしかにすごくロックを歌いそうな顔してますよね(笑)
小野「1話のバンドシーンも印象に残っていて、やっぱりボーカルなんだなと。我が強い所とか、目立ちたがりな所とか、唯我独尊な所とか。そういう意味で、昶とロックがシンクロしているなと思ったので、今回は歌いやすかったです」

――キャラクターソングを最初に聞いた時の感想、詞をもらったときに感じた昶らしいと感じたところを教えてもらえますか?
小野「この曲は、『Destiny』っていうタイトルの通り、彼がこれから巻き込まれていく運命を表現している曲なので、昶らしいところっていうと、全部になっちゃいますね。昶のアイデンティティーというよりは、むしろ昶がこれから進む道を表現している曲です。その中でも、『孤独の声』っていうのが、収録していて特に好きだったところです。ここはちょうどオケが薄くなって、心情を込めた声になるところなんです。彼は孤独を愛しているんですけども、孤独ってものに縛られてもいるので、その鎖を引きちぎることが、まだできていない。これから彼が大人になっていく上で、そしてシンとなってコクチと戦って行く上で必要になってくる事なんじゃないかと思うんです。そういう意味では『モノクローム・ファクター』っていう物語自体のテーマを現している曲なんじゃないかと思います」

――キャラクターCDに収録されるミニドラマはいかがでしたか?
小野「続き物のドラマなので、まだ今日録った部分は、物語の序章です。本編ではまずありえないような、福引きで当たったお食事会にみんなで行くようなお話。もう、そこはかとなくギャグ臭がしてます(笑)。本編でも要所要所にギャグは入ってくるんですけど、それ以上にコミカルになりそうです。僕自身ドラマCDでコミカルなお話をやるのは好きなので、これからに期待しています」

――たしかに昶は福引きで当たったらお食事会に行きそうなキャラですよね。逆に当たらなければ絶対行かなそう
小野「福引きの3等にゲーム機があって、本当はそれが欲しかったんですけど、特賞が当たっちゃって、ふてくされるっていう描写があるので、やっぱりゲームが一番大事なんだなぁと、思いました」

――昶って、そんなにゲーム好きのキャラでしたっけ?
小野「賢吾の家に行ってるときはたいていゲームやってますね。でもそんなにゲームが大事だとは僕も思ってなかったので新鮮でした。アニメ本編でも今、だんだんオリジナル要素が入ってきていて、『アニメのモノクローム・ファクターって、こうなんだよ』というのがわかるドラマCDにもなっています。この先どうなるのかわからないですけどね(笑)」

――では最後にメッセージをお願いします
小野「僕はキャラソンを歌うとき、『キャラクターで歌を歌うことにどういう意味があるんだろう』って、いつも考えています。今回はキャラクターが歌を歌うってことにしっかり意味があると思いました。みなさんに、この『モノクローム・ファクター』っていう作品の世界観や、キャラクターの心情を、歌でもお届けできるんじゃないかなと思います。ぜひアニメも歌も両方を楽しんでいただいて、より深く『モノクローム・ファクター』の世界に浸かっていただけると嬉しいです」

神谷浩史が語る『モノクローム・ファクター』の世界

TVアニメ『モノクローム・ファクター』で浅村賢吾を演じる神谷浩史

――まず『モノクローム・ファクター』のエンディングテーマを小野さんと2人で歌うと聞いたときの率直な感想は?
神谷「まあ、なんでだろうと(笑)。そもそも僕は歌を得意としていないので、それでもいいんですか? というところからスタートしたんですけれども……。でも僕が子どもの頃に見ていたアニメーションでも主役の方が主題歌を歌っていたりするアニメがあって、ある意味憧れもあって、そういった機会をいただけるということはそうそうあることでもないと思うし、これを逃したらもうないかもしれないと思ったので、受けさせていただきました」

――でも、これまでも数々の作品に出演してきた神谷さんが番組のテーマソングを歌うのが初めてだと聞いて、ちょっと驚いたんですけど
神谷「いや、初めてなんですよ。女性の場合はわりとありそうですけど、男性声優でこういう歌を歌っているのはありそうで、あまりないと思いますよ。だから今回のお話をいただいて、嬉しかった……とも単純には言えないんですけど(笑)、やっぱり光栄なことだなと思いました」

――最初に曲を聴いたときの感想は?
神谷「僕は最初、曲ではなく、詞を見たんですよ。それで作詞のところを見たら、松澤由美さんと書いてあって、じつは僕が最初にオーディションに受かって出演させていただいた作品で、松澤由美さんが主題歌を歌っていたんですよ」

――なんの番組だったんですか?
神谷「『ジバクくん』という作品です。その主題歌が僕も大好きですごく印象に残っていたので、その松澤さんが作詞をしてくれているということがまずすごい嬉しくて、すぐ小野くんにメールしたりして。まあ、感動したの僕だけだったんですけど(笑)。その思い出の作品からおよそ10年近く経ったところで、こういう縁があって、今度は松澤さんの作詞した歌が歌えると……、これはなんてありがたいことなんだろうって、そこで余計に思いましたね」

――曲の方はいかがでしたか?
神谷「これはいろんなところでお話ししたんですけど、サビが頭を回るんですよね。メロディも覚えやすいから何回か聴いただけでもすぐに覚えられるし、朝一度聴くと、その日1日頭を回ってるんです。今日もミニドラマの収録ということで、出掛けに聴いてきたので、収録でもずっと頭を回ってる感じでした」

――シングルに収録されているミニドラマはどんな内容だったんですか?
神谷「アニメーションでは一番最初、物語として賢吾は蚊帳の外に置かれているんですね。昶がコクチと戦っているということを知らされていない状態で。でも物語が何話か進んで行くうちに賢吾も昶と一緒にコクチと戦って行くことになるんですけど、今回のミニドラマはたぶんその直後のお話ですね」

――大げんかのあたりですか?
神谷「大げんかの後ですね。もう賢吾は昶と一緒に戦って行きますよ、という状態になったところです。昶の背中を守るのは自分の役目だと……、昶の足を引っ張らないように、昶にばれないように一人でトレーニングをしているというお話ですね」

――収録はおもしろかったですか?
神谷「おもしろかったというよりは、賢吾という人間をよく知る上で、僕としては演じられてよかったです。なんか昨今、そういう泥臭いところってなかなか見せないじゃないですか。特にこういう綺麗でカッコいい作品ですから、シーンとしてカッコいいところをクローズアップしていくのもわかるし、僕もそれでいいと思うんです。でも、その裏で登場するキャラクターたちが努力しているという忘れられがちな部分を、逆にドラマCDとかで垣間見えるというのは、僕としても見せられるのも嬉しいし、演じられるのも嬉しいです。それにキャラクターの厚みを出すという意味でも重要なストーリーだと思います」

――では最後に作品とシングルの発売を楽しみにしている人たちへのメッセージをお願いします
神谷「『モノクローム・ファクター』という作品は、原作にはない要素がアニメーションに含まれていて、非常に丁寧に作っている作品だと思います。原作ファンの方には原作にない部分も楽しんでいただけるような作品になっていますし、アニメーションから入った人が原作を読んでみるという導入にもなっている。そういう意味でも『光と影』のように、アニメーションも原作もどっちも楽しめる作品になっているんじゃないかと思います。曲に関しては、なんといっても松澤さんが詞を書いてくれているというのが僕の中では大きくて、歌わせていただけてとても幸せです。是非CDで2番も聴いてみてほしいなと思いますし、僕に取っては思い出に残る大切な1枚となっていますので、皆さんにとってもそうであってくれたらと思いますので、応援よろしくお願いします」

TVアニメ『モノクローム・ファクター』のEDテーマ「AWAKE~僕のすべて~」のジャケットイメージ

収録曲 01.AWAKE~僕のすべて~
02.昶 & 賢吾ミニドラマ「犬の背中」
03.AWAKE~僕のすべて~ (Off vocal)
昶 & 賢吾 (cv:小野大輔・神谷浩史)
発売日 2008年5月28日 (発売中) 品番 FVCG-1033
価格 1,680円
発売元 5pb. 販売元 メディアファクトリー

TVアニメ『モノクローム・ファクター』キャラクターソング Factor.1 昶のジャケットイメージ

タイトル TVアニメ『モノクローム・ファクター』キャラクターソング Factor.1 昶
収録曲 01.Destiny
02.オリジナル連続ドラマ「白銀楼の影」第一話「黄昏の影」
03.キャストメッセージ
04.Destiny (Off vocal)
昶 (cv:小野大輔)
発売日 2008年5月28日 (発売中) 品番 FVCG-1041
価格 1,680円
発売元 5pb. 販売元 メディアファクトリー
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