これが村田ワールドへの入り口「三ノ函観光センタ」

かつて世界が三つの函だった頃の面影が今でも色濃く残る場所、三ノ函半島。そこでは実現しなかった未来の残像が見え隠れしている。

この三ノ函半島への幻想の旅を、本展覧会では700平米の会場において再現している。"三ノ函観光センタ"へ入るとその先には、実寸大の家具で作り上げられた「あるアパートの一室」があり、そこから等身大パペットの"男"とともに幻の半島をめぐる旅へと旅立つ。アパートの窓に写し出される映像には"男"が優待離脱のように旅にドアの向こうには湘南電車を思わせる「三ノ函鉄道」。その外観と内観が入り交じった車内から、 半島への旅の景色が写し出される。

入り口から入るといくつかのミニチュアがお出迎え

「あるアパートの一室」。旅のはじまりだ

「三ノ函鉄道」の車窓には享楽的に過ごしている 街の灯が

半島での宿は、半島随一と謳われる「百色旅館(ももいろりょかん)」の一等客室「ソランの間」。どこかうら寂しい古い海辺の宿にいるかのような部屋の窓の外には、美しい三ノ函半島の海や、空からピンクゲルマが注がれる不可思議な景色を"男"とともにじっくり楽しむ事ができる。そして、旅に欠かせないのは湯。百色旅館ではピンクゲルマの湯が楽しめる浴場も備えており、湯の底に浮かぶ映像が楽しめる。

写真右)三ノ函半島にこの宿あり、と言われるのが「百色旅館」

写真上)一等客室「ソランの間」からは半島の眺望が

大浴場の湯船には映像が浮かび上がる

空からピンクゲルマが注ぎ込まれている

さらに旅の思い出を振り返るかのような部屋や、村田氏のパペットの世界も堪能し、"男"とともに記念撮影も楽しめるコーナーもある。そして、旅の最後に相応しく、三ノ函半島100名所の映像が見られる「百色旅館ジュークボックス」を設置した広々したホールが待っている。ここでは村田氏の映像作品をたっぷり楽しむ事ができる。

写真上)三ノ函からの帰路。旅の思い出が投影される

写真右)「東京モンタージュ」のメリーゴーランド

休憩スペースのミニチュアには『路』シリーズの役者たちが

秘密の場所。ぜひ、会場でこの場所を見つけて、双眼鏡をのぞいていただきたい

ミニチュアセットを前に記念撮影もできる

「百色旅館ジュークボックス」。通常、映像はジュークボックスのディスプレイにしか投影されないが、今回は広いホールに大きな映像が投影される。村田氏が制作したいわば三ノ函と百色旅館のプロモーションビデオだ