エミリー演じるブレナンは、FBI捜査官ブース(デイビッド・ボレアナズ)から頼りにされる骨のスペシャリストであるけれども思いやりに欠けた冷たい言動の目立つキャラクター。

インタビュー前に、「エミリーは日本人記者の取材を受けるのは初めてで、ナーバスになっている」という噂も聞いていたため、実際もブレナンと同じなのかも、と心配していた筆者。ところが、スタジオ入りした彼女は、「皆さん、日本からいらしたのね。来てくれてありがとう!」と笑顔を浮かべてねぎらいの言葉をかける素敵な女性だった。ドラマで見るよりずっと美しく、スタイルも抜群でとてもセクシー! エミリーの暖かい言葉によって取材陣の緊張が徐々に解けていく中、ジェファソニアン法医学研究所のセット内で、彼女の本音を聞くことが出来た。

複雑なキャラクター、ブレナンの魅力

テンパレンス・ブレナンを演じるエミリー・デシャネル。クールなルックスだが、大口を開けて笑う大らかな一面も

――ブレナンはとても個性的で、周囲から反感を買うような面もありますね。この役をオファーされた時、リスキーだと思いましたか?

エミリー・デシャネル(以下E)「そういう考えも確かに私の頭をよぎったわ。でも私はこの役が大好きになってしまったの。知れば知るほど、なぜ彼女があんなに冷たくて、頑なであるのかが理解出来るのよ。それに、彼女はどんどん変わって行くの。これからシーズン4の撮影に入るんだけど、彼女はもっとオープンになる予定よ。ブースが彼女をより人間的にしていくの」

――ブレナンの役作りについて教えて下さい

E「法人類学の本をたくさん買い込んでじっくり読み、リサーチもしたわ。それでもエピソードごとに法人類学や法医学一般、人間の体について新たに学ぶことが出てくるから、勉強し続けているの。ブレナンは、マーシャル・アーツの達人でもあるから、カンフー、空手やフィリピンのナイフ・ファイティングのトレーニングもしたわ。それ以前は、大学の時に空手を遊び半分でやっていただけ。私はエキスパートのフリをするのが上手いのよ(笑)」

リアルで恐怖さえ覚える遺骨に正面から向き合い、その欠片から驚くほどの多くの情報を引き出す

――視聴者の反応やファンの意見を気にすることはありますか?

E「インターネットの書き込みは、ごくたまにしか読まないわ。意地悪なことが書いてあったら、泣いてしまうもの(笑)。でもTV局や製作総指揮のハート・ハンソンなどの制作側は、読んでいるはずよ。視聴者の反応はキャラクターの性格の変化などにある程度影響を与えていると思う。テレビドラマの仕事をしていて最も楽しいのは、自分のキャラクターが変化していくことなの」

――このドラマのヒットによって、エミリー・デシャネルではなくブレナンのニックネーム"ボーンズ(骨)"が私生活でも定着してしまうことに困惑することは?

E「私はこのドラマが大好きだから、ボーンズと呼ばれることも嬉しいわ。時々、道行く人たちが私に気付いて『ボーンズ! ボーンズ! ボーンズ!』って叫ぶのよ。誰も『エミリー』とか『ミス・デシャネル』とは言わない。時々、『ドクター・ブレナン』とまで呼ばれるんだから。面白い現象よ。でも私はこのニックネームを喜んで受け入れている。とても気に入っているの」

知性が高く、ブレナンに忠実アシスタントのザック・アディ(エリック・ミレガン)と

デイビッドの紳士な一面をゲット!

ブレナンとブースの友達以上恋人未満な関係がファンをやきもきさせる

――あなたとデイビッドは毎回とても息の合った演技を見せていますね。あるインタビューでデイビッドは「主演女優とうまく仕事をする秘訣は紳士的に振る舞うこと」と答えているのですが

E「彼は紳士よ。あるエピソードの撮影中、私は個人的につらいことがあって、途中で泣き出してしまったの。気持ちが動揺して。すると、彼は私をその場から連れ出して、散歩しながら慰めてくれたの。彼はその時、仕事をしたくなければ撮影を止めてもいい、とまで言ってくれた。彼は私の悩みを聞き、困難を乗り切るために色々と助けてくれるの。彼はとても繊細で、素敵な人よ。私が落ち込んでいる時にいつも励ましてくれるわ。ジョークを言ったりしてね。彼は間違いなく紳士よ」

――あなたの父親がシーズン2のエピソードを監督されたとか

E「私の父は、撮影監督なの。映画やテレビドラマの監督もしているわ。父が監督したエピソードは、シーズン2の20話『The Glowing Bones in 'The Old Stone House'(原題)』で、寿司レストランのシェフが出てくるの。シェフが殺された姿で見つかるんだけど、なぜか骨が光っているの。暗闇で骨が光っている理由を言うとネタバレになるから、ここで止めておくわね(笑)」

――では最後にこれだけ聞かせてください。その素敵なワンピースはどこのブランドなのですか?

E「これはヴィンテージものよ。誰がデザインしたのか全く分からないわ。私のスタイリストがどこかで手に入れてきたの。ロサンゼルスにはいくつかお気に入りの店があるのよ。私はSatineが大好き。ヴィンテージでは、Decadesがお薦めね。ラブレア通りのThe Way We Woreも素敵なお店なの」

きれいなボルドーのワンピース。襟元のタイがクラシックで素敵だった。手に持っているのは日本で発売されたばかりのDVD

エミリー行きつけのブティックはココ! L.Aに行ったら是非お立ち寄りを。エミリーに会えるかも?

Satine
8117 W Third St Los Angeles, CA 90048
Phone: (323) 655-2142

Decades
8214 Melrose Ave Los Angeles, CA 90046-6812
Phone: (323) 655-1960

The Way We Wore
334 S La Brea Los Angeles, CA 90036
Phone: (323) 937-0878

エミリー・デシャネル

1976年10月11日 アメリカ カリフォルニア州ロサンゼルス出身 31歳

1994年『あなたに降る夢』の端役で映画デビュー後、『プロビデンス』(02)、『女検死医ジョーダン』(04)などのゲスト出演を経て、本作のヒロインに抜擢された。07年以降は、『BONES-骨は語るー』の共同プロデューサーも兼ねる才媛。

父親は、メル・ギブソン監督の『パッション』(2004)でアカデミー撮影賞にノミネートされたキャレブ・デシャネル。母親メアリー・ジョー、妹ズーイーも女優。

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