45歳で俳優デビュー

――志賀さんはこれまでのドラマや映画では、教師、刑事、医者、頑固な父親など、真面目で固い役が多いですが、今回は有り得ないほどコミカルですね。

志賀「福田監督だけが、私の別の部分を見つけてくれたのかなと(笑)。でも、CMや一部の映画ではコミカルな役もやっているので、自分の中には真面目な部分だけでなく、二面性があると思っています」

――パフェおやじ役で、志賀さんは新境地を開拓したように感じるのですが。

志賀「僕は『こういう役は嫌』というのがないので、コミカルな役もどんどん演じていきたい。確かにパフェおやじで仕事の幅が広がったのを感じます。ただ、僕を前から知ってる仲間は、違和感ないみたいです(笑)。真面目な顔してますが、昔からお笑いは好きなんですよ」

――昔といえば、志賀さんは現在60歳で芸暦15年ということなので、俳優デビューは45歳ですよね。俳優でデビューする前は、どんなお仕事をなさっていたのですか?

志賀「若い頃は俳優を目指していたんですが、演技を教えるほうに興味を持ち、俳優養成所の講師を20年弱していたんです。それから、再び俳優になりたいと思う気持ちが強くなり、転職したんですよ(笑)。僕の生徒の中で有名になった女優のひとりに南果歩さんがいるんですが、『先生だと思ってたのに、いつのまにか同業者になってる!』とある現場で驚かれた事があります(笑)」

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――40歳代から転職して俳優に挑戦する事に関して、不安はありませんでしたか?

志賀「能天気な性格なので、不安とかはなかったですね。私は真面目そうに見えて、実はテキトーで、先の事を何も考えてないんです(笑)」

――役者を志す若い人に、何かアドバイスなどはありますか?

志賀「実際に活動していなくても、なりたいと思ってる事が大切。意思さえ持続させていれば、俳優っていうのは何歳からでもできる仕事だから。僕は45歳からだし(笑)、知人には、74歳から俳優になった男もいますしね(笑)」

――最後に、この作品を改めてアピールしてください。

「おなじみの3名様は出てきません(笑)。私だけです。私が3人いるみたいです。タイトルロールにも私の名前が3回出てきますし(笑)。各エピソードに出てくる俳優さんの演技も素晴らしいので、是非、楽しんでください。どうやら、パフェおやじは私のライフワークになりそうです(笑)。みんなが『もう辞めろ!』と言うまでは、続けたいですね(笑)」

――これからも、変な動きをしながら、バナナパフェばかり食べ続けるわけですね。

志賀「撮影時に、パフェはそれほど大量に食べているわけではないんです。一度、たっぷり食べてみたいですね(笑)」

志賀廣太郎 プロフィール

1948年生まれ。兵庫県出身。桐朋学園芸術短期大学では演劇講師も務める。1990年に青年団に入団。舞台を中心に活躍。その後、味のある渋い声と確かな演技力で、テレビドラマ、映画、CMなどで名脇役として活躍中。刑事、教師、医者などを演じる事が多い。『THE3名様』のコミカルなパフェおやじ役で注目を集める。ドラマ出演作品は『ハゲタカ』(2007年 NHK総合)、『医龍-Team Medical Dragon2-』(2007年 フジテレビ系)、『アンフェア』(2006年 フジテレビ系)など多数。