映画『奈緒子』の初日舞台挨拶が16日、都内で行われた。主演の上野樹里、三浦春馬を筆頭に、共演の佐津川愛美、綾野剛、古厩智之監督が登場した。

舞台挨拶に登場した面々。左から、古厩智之監督、三浦春馬、上野樹里、佐津川愛美、綾野剛

同作はビックコミックスピリッツに1994年から2001年まで連載されていた駅伝コミック『奈緒子』(作:坂田信弘、画:中原裕)の映画化作品。喘息持ちの少女・奈緒子の命を救おうとして雄介の父親は命を落とす。数年後、天才駅伝ランナーへと成長した雄介は、奈緒子と再会。駅伝という競技を通じて、ふたりの運命が再び交錯していくのだった。

雄介と奈緒子。ふたりの青春の痛みが描かれる

まずは主役の篠宮奈緒子を演じた上野が「懸命に雄介たちが走る姿を見て、何かを感じていただけたら嬉しい」と笑顔で挨拶。今回のシリアスな役柄に関しては「コメディエンヌ的なこれまでの役柄と違い、全てを脱ぎ捨てた状態でカメラの前に立った感じです」と振り返る。続いて天才ランナー・壱岐雄介役の三浦が「撮影の1カ月前から、毎日走る練習を続けていました。凄い筋肉が付きました」と役作りへの苦労を語る。

セリフでなく佇まいで感情を表現し、新境地を見せた上野

公開前日には日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した三浦

雄介の所属する陸上部のマネージャー・吉澤結希役の佐津川は「撮影スタート時からすぐに溶け込めました。撮影中は毎日の食事が楽しみでしたね」と笑顔。雄介のライバルである陸上選手・黒田晋役の綾野は「雄介の敵ではなく、称え合うライバルであるという事を常に意識して演技していました」とクールな表情で語った。

劇中同様、撮影現場でも俳優たちの走る姿を見守ったという佐津川

学生時代は実際に駅伝選手だったという綾野。髪型がワイルドです

古厩監督は作品に関して「原作のテーマである、"走ること"と"生きていくこと"。それだけで作ったシンプルな映画です」と語った。またランナー役の三浦に関しては「走るシーンは(映画的な)嘘をついていない。三浦君はトータルで100キロ以上は走ったはず」と強調。加えて上野も「私は学生時代、陸上部だったからわかるのですが、三浦君の筋肉は凄く硬くて、本物の陸上選手の身体になってました」と、三浦の走りこみの凄さを力説した。当の三浦は「自分で言うのもなんですが、沢山走って、辛い思いをして作った作品です。ぜひ観てほしい」と、熱く締めくくった。

走ることについて熱く語っていた上野と三浦

『奈緒子』はシネ・リーブル池袋ほかにて全国ロードショー中

(C)2008 坂田信弘・中原裕/「奈緒子」製作委員会