財団法人東京都公園協会は16日、同協会が運営する水上バス「東京水辺ライン」船内にて、谷川真理氏によるトークイベント「『谷川真理さん』が船上にて語る 東京マラソン極秘の術!!」が開催した。17日の東京マラソン10kmで出場予定の同氏による東京マラソンの"極秘の術"が語られた。

同イベントには実際マラソンを走っている人、あるいはマラソン関連の団体の人など約100名が集結。いずれも明日17日に控えた東京マラソンの話題で盛り上がりを見せていた。同イベント参加者のうちに東京マラソンでフルマラソンに参加する人は20~30名ほどおり、とりわけマラソンへの関心の高さも窺えた。そんな中、ゲストとして登場した谷川真理氏には大きな拍手が沸き起こった。

トークイベントは、水上バスにてゆったりと晴れ渡った隅田川の景色をながめながらスタート。谷川氏はマラソンを走るきっかけなどの自身のエピソードを披露し、技術的なポイントや練習方法などをテンポよく解説した。

両国発着場から東京臨海部をゆっくり遊覧する東京水辺ライン

17日の東京マラソンも10kmの部で出場するという谷川真理氏

谷川氏は「昨年(2007年)の東京マラソンは朝から雨で、30回以上走ったマラソンのなかでも1、2を争う厳しさで、首と手のところを切った大きなビニール袋をかぶって走るほど。意外かもしれませんが、このビニール袋あるかないかで全然違います。これがなかったらどんどん体温を奪われてしまうのです」

と2007年の東京マラソンを振り返り、天候や気象条件に合わせた対策が必要なことを強調した。スタートするまでに関しては「スタート前は、緊張感で体が固くなって呼吸がしづらくなっている場合があります。そんなときは両腕を大きくまわして、肩甲骨のあたりの筋肉をほぐしてください。そうすると呼吸がしやすくなります」とベテランランナーらしい助言がなされた。

「それと明日の予報は晴れとのことですが、朝はやはり寒いと思います。当日はスタート時間の20~30分前に並ばされます。そのときは体を冷やさないようトレーナーやTシャツ、ビニール袋などを着て並ばれた方がいいでしょう。そしてスタートのときに脱ぐようにしてください」。

さらに「最初の5kmは下り坂になります。ペース配分に注意してここの下り坂は飛ばさないようにしてください。今回の東京マラソンが初めてのマラソンとなる人は、完走を目指すなら最初の10kmは歩いてもいいくらいです。足が痛くなってからでは1km10分では歩けませんから。残りを自分のペースで走ってください」とマラソン初心者にとって実にタメになるコメントを述べた。

そのほか、給食される人形焼きはぜひエネルギー切れになりやすい男性は摂取すること、マラソンの最後5km地点での厳しい道のりでは、アゴを上げず自分の身長の1.5倍くらい前方の地面を見て走るようになど、東京マラソンに出場する上で、役立つ"極意"を語った。

「走っていておなかが痛くなってきたらどうするか。私の場合は腹式呼吸でなるべく呼吸を大きくするようにしています。それと気になるのが足のマメ。マメ対策としてワセリンを足の指や前に塗っておくといいです。それでだんだん擦れそうだと思ったら、我慢せず早めにバンドエイドを貼ってください。もしバンドエイドがなかったら水をかけてあげると和らぐかもしれません」

約1時間強というトークイベントだったが、谷川氏の豊富な経験に基づいた実践的なアドバイスが数多く飛び出し、参加者は真剣に聞き入っていた。最後に「マラソンは最終的に自分との戦いです。最大のライバルは自分自身と言っていいでしょう。自分に負けないように"自分らしい"走りをしてください」と述べ、同イベントを締めくくった。

なお、水上バス「東京水辺ライン」では、明日のマラソン終了後、15時30分に東京ビッグサイト発の臨時便が運行するとのこと。「東京ビッグサイトからお帰りの際、電車は混雑が予想されます。比較的、混雑が少ないと予想される水上バスをぜひご利用ください」(広報担当)。激闘のあと、東京ビッグサイトから両国までの1時間、ゆったりとガイドさんの説明を聞きながらクルージングを楽しむのもいいだろう。料金は大人1,000円、小学生以下500円となっている。