2月1日よりINAXギャラリー2において、本によるインスタレーション「杉山礼香展 -見えない本-」が開催される。期間は2月28日まで。

杉山礼香 「三つの時間」

杉山礼香は1980年生まれで、東京芸術大学大学院美術研究科後期博士課程に在学中。展示される作品は文章の一部分をの文字を指でこすり落としたり、赤やオレンジ色のインクで書き写した文章に、同じ色の照明をあてることによって見えにくくさせるなどユニークなものばかり。

とりわけ「人びと」という作品は、一冊の本を「人」という文字だけを残して他の文字を削り落とし、その紙の滓が本の周りに山のように積み置くことで、濃密な時間やドラマの重みを感じさせる。このようなドラマチックな光景を作り出すことで、文字と言葉と本をモチーフに時間や空間、人間の存在感を炙り出そうとしている。杉山は、本や文字の体裁をとるのは、黙読という実態のない声と感覚を味わうための時間をあじわうためではないかと語る。同展ではこうした「本」のシリーズから、「名前」「名」「人びと」「「…。」」「三つの時間」の5点を展示する予定。

開館時間は10時~18時、休館日は日曜・祝日、入場無料。2月1日18時より19時までアーティスト・トークが開催される。