ハニカミ王子こと男子ゴルフの石川遼選手が10日、都内で記者会見を開き、プロに転向することを発表した。会見には、石川選手の父・石川勝美氏、杉並学院高等学校校長・岩本淺夫氏、JGTO専務理事代行・山中博史氏が出席した。

プロ転向を発表した石川遼選手

「きょうからプロゴルファーの石川遼です。これからもよろしくお願いします」

プレーで見せる表情とは異なり、やや緊張気味な顔で着席した石川選手は、司会者からプロ転向宣言を促され、一礼後、こう短く宣言した。宣言後、JGTOからツアーメンバー登録書が渡され、堂々とサインをすると、記者陣にその登録書を掲げた。

プロになった気持ちについて、石川選手は「ゴルフが仕事になっていくということになりますけど、プロになりましたという宣言ではなくて、アマチュア・ジュニア時代から多くの方にお世話になったので、その感謝の気持ちを伝えられたらという気持ちです。自分の最高の夢を叶えるためにまたひとつ前進したという気分です」と冷静にコメント。プロに向けて課題点は「まずはドライバーの飛距離です。もうこれ以上まで飛ばないというところまで飛ばせるようなスイングをしたいです」と意欲を語った。

ツアーメンバー登録書にサインした石川選手。「目標を考えてる時間はない。自分ができることをしっかりとクリアしていきたい」プロゴルファーとしてメッセージを

「プロになること薦めてはない」というのは父親の勝美さん。それでも父親として息子の意思を尊重し、彼の人生の選択を支援していくという。そして石川選手は続けた。「自分の夢というか、プロゴルファーになりたいという小学4年生からの思いがまさか16歳で叶うとは思わなかった。自分にとってもすごく自信を持って前進できることだと思う。社会に出て、プロになったら年齢を気にしたくないし、いち早くプロゴルファーの一員としていろいろな方から認められたいと思っています」と。最高の夢への第一歩となったプロ転向。「最高の夢とは、それは小学4年から思っていた、マスターズでの優勝です!」と夢を膨らませた。

「自分が一生懸命やってることをゴルフのプレーでお見せしたい。自分がまずゴルフに、勉強に一生懸命に取り組んでいきます」と、どこまでも爽やかな石川選手だった

姿を現してから20分ほど。「世界の人たちへ向けて、ぜひ英語で一言」という難しい質問が出ると、これまでは得意のはにかんだ表情を見せなかった石川選手が、ついにのハニカミを見せ、一斉にフラッシュが飛び交った。そこで、石川選手は

「I want to play with "Tiger"」

と、宣言。"Tiger"とは、もちろんタイガー・ウッズのこと。ビッグな宣言に、大勢の記者陣で埋め尽くされた会見会場に大きな拍手が沸き起こった。

今後は、2月に行われる全英オープン選手権の予選会に出場する予定