――今年で芸能生活10周年ですね

「あっという間ですね。10年前、全日本国民的美少女コンテストで受賞したときは、先のことを考えられませんでした。受賞したその日に行ったインタビュー取材が初めてのお仕事で、もう頭が真っ白になってしまったのを思い出します。それからしばらくしても、考える余裕がなくて……。当時は、コンテストに受かりたいという気持ちはなくて、受けちゃったって感じだったんですよ。まさか、受かるとは思っていなかったですね。でも、基本的には楽しかった10年です。細かく言えば辛いこともありましたし、辛いことばかりだと思ってしまう時期ももありました。『楽しい時っていつ来るの』って。でも今は、そう思うことはないですね。辛いことや壁にぶつかっても、『これは私への試練だ!』、『いいことがあるための今なんだ』って思えるから。仕事に対してさらに前向きに考えられるようになったのかもしれません」

――来年はさらに芝居の道へ?

「その前に、年末に舞台が控えているので、その稽古に集中します。『complex』という作品で、題名の通りコンプレックスを抱えた人たちの物語です。私は、芸能界を目指す女の子を演じるんですが、胸に痛いセリフが結構あって。芸能界にいる者としては『ほんとはそうじゃないんだよ』って思うんですが、そこはリアルに伝わればいいですね」

――では、来年の目標を教えて下さい

「目標というか、私の一番の夢は、女優として『これを演じてほしい』と求められることなんです。この役はこの人しかできないとか、出番は少ないのに存在感があるような役者になりたい。そのためには目の前にあるお仕事をしっかりとやっていくことになると思います。今年は、舞台とドラマが中心だったので、来年は映画に出たいですね」

芸能生活10年のキャリアからなのか、インタビュー中も常に自然体の彼女。ただ時折、語尾に力を入れて発言していたのが印象的で、女優魂を垣間見た気がする。芸能人としての方向性を明確にできず、階段をうまく上がれない人も多い中、彼女は着実に一歩一歩、女優道を踏みしめている。

須藤さんのオフタイム~リメイク~

ドラマ撮影中は、スタジオとホテルの往復の毎日。それでも、オシャレを楽しむようにしたという。元々、洋服が好きで「縫い物をもっとしたいですね。ハマると、とことんやるんですけど、今はお仕事が忙しくて全然できないので。リメイクをいっぱいしたいんです。古くなった服に手を加えて、別の物を作ったり、デコレーションをしたりとか。今は、無性に縫いたいという気持ちなんです(笑)」と須藤さん。