東京・上野の国立科学博物館で23日より、ロボットをテーマとした企画展「大ロボット博 ~からくりからアニメ、最新ロボットまで~」がスタートした。会場には実際に活躍している工業用ロボットから、フィクションの世界の人気ロボットまで様々なロボットが集合し、連日多くの来館者で賑わっている。

様々なロボットたちが一堂に会した大ロボット博。愛知万博では実現しなかったホンダのASIMOとトヨタのパートナーロボットの揃い踏みも実現した

会場に入ると、アニメや特撮の世界で活躍する人気ロボットがお出迎え。バンダイの超合金シリーズ

会期は2008年1月27日まで。入場料は一般・大学生1,400円、小・中・高生600円。開館時間は9時から17時。金曜のみ開館時間が20時まで延長される。休館日は毎週月曜(ただし12月24日、1月14日は開館)。また12月28日から2008年1月1日までの年末年始と1月15日も休館となる。

特筆すべきは博覧会の名にふさわしいロボットの多彩さ。江戸時代のからくり人形に始まり、各地の研究機関で開発が続く最新のロボット、さらにはアトムやガンダムといったフィクション世界のロボットまで、過去、現在、未来という時間軸を貫いた形で100体以上ものロボットが顔を揃えている。間口も広く、日本でロボットが愛されてきた歴史を誰でも楽しみながら知ることができる内容。主催者側は、会期中に30万人の入場者を見込んでいる。

愛知万博で展示された巨大な汎(はん)と六将(りくしょう)。総合演出は『機動警察パトレイバー』『攻殻機動隊』シリーズなど、ロボットを扱った作品を多く手がける押井守監督

ロボットの元祖? 1600年代前半に日本で作られた世界最古の金属製からくり。蟹の盃台で、酒盃を置くとゼンマイ仕掛けで客まで運んでいく仕掛け

1952年から連載がスタートしたマンガ『鉄腕アトム』に関する展示も。カラー原稿と手塚治虫愛用のメガネとペン、ベレー帽

修正の跡も残る『鉄腕アトム』の生原稿。1955年にマンガで描かれたロボットの博覧会が半世紀を経て実現した

二足歩行型ロボットの先駆けとして、1973年に完成した早稲田大学ヒューマノイド研究所のWABOT-1。当時はまだロボット研究への懐疑的な声も強かったという

現代と未来のパワードスーツ。筑波大学が開発したロボットスーツHAL(左)と1/10スケールのガンダム(右)

身近になりつつあるペットロボットたち。ソニーのAIBO(左)、バンダイのドラえもん・ザ・ロボット(中央)、NECのPaPeRo(右)

音声認識装置を備え、簡単な会話をすることができる三菱重工業のコミュニケーションロボット・wakamaru

ロボットではないが、こんなものも。九州工業大学が開発したインタラクティブディスプレイ・画楽。人間の顔を見分けてロボットに変身?

ホンダ製ロボット3兄弟。1996年に発表されたP2(左奥)、1997年のP3(中央)、そして2000年の登場から7歳を迎えるASIMO(右手前)

動画
ASIMOのショーも連日複数回開催されているので、未見の方はぜひ生で。自慢の駆け足はやっぱり速い!
ファナックの産業用知能ロボット。作業を高速でこなすだけでなく、コンベア上の部品を視覚センサで感知し、柔軟性のある動作を可能としている

屋外に展示された富士重工業の地雷探知ロボットシステム。アフガニスタンなどで活躍している頼れる奴

人気のおみやげはASIMOグッズ。ほかにもガンプラやレトロなブリキのロボット、本格的なロボットセットまでならんでいる

11月6日には記念イベントとして、「大ロボット博 プレミアムナイト 世界初!夢のロボット舞踏会 produced by 押井守」を開催。アニメ・映画監督の押井守氏が総合演出を行ったアートパフォーマンスと、本展覧会出品ロボットたちのパフォーマンスが楽しめる特別な一夜が予定されている。11月2日までに来場した人を対象に、限定100名を無料で招待。会場内にある応募用紙に必要事項を記入して申し込み、当選すればメールにて通知が届くとのことなので、希望者はお早めに。