『TOEICテスト900点を突破する集中トレーニング』など共著書は30冊以上、数々の英語を習得するためのトレーニング方法を執筆し、企業や大学で「英語トレーニング法」の公演やセミナーを開く鹿野晴夫氏。英語トレーニングの教材販売や講座を行うICC(アイ・シー・シー)の教育事業本部長を務めているが、もともとは英語が苦手な「元・英語難民」だという。TOEICテスト初受験時は335点だったが、英語に「目覚め」、わずか3年半で850点までスコアをアップさせた。今回は同氏の著書『英語が自然に出てくる! 音読の練習 1回10分トレーニングでペラペラ英語』から同氏が薦める英語のトレーニング法について聞いてみた。

ICC(アイ・シー・シー)の教育事業本部長を務めている鹿野晴夫

――まず素朴な疑問なのですが、どうして日本人は中学・高校、大学まで英語の勉強をしているのに話せないのでしょうか?

それは、ずばり「話す」練習をしていないからです。中学や高校で勉強する英語は読解が中心です。英語の訳ができているかで英語を理解しているかを確認しているだけなので、「話す」トレーニングは何もしてきていないと言ってもいいぐらいです。それでは、いつになっても英語を話せるようにはなりませんよね。まず、日本語と英語の語順が違うことを知り、日本語で英文を考えるのではなく、あくまで「英語の語順」に慣れることが大事だと思います。

――よく小さい頃から英語の発音に慣れて「英語耳」を作らないと……などと言われますが、鹿野先生はどう思いますか?

色んな意見がありますが、「英語を話す」ことに関して、大人でもトレーニングをすれば聞く能力や話す能力が身につくので、幼い頃から英語耳である必要はありません。ただ英語のアルファベットも知らない子供と、文法や英単語などを学んできた大人とでは勉強の仕方は異なってくると思います。

――鹿野先生のプロフィールに、もともとは英語が苦手な「元・英語難民」と書かれていらっしゃいますね。どうして英語に目覚めたのでしょうか?

理由は、29歳のときに海外へ出張に行かなければならなくなったからです。まさに必要に迫られて、です(笑)。その時は海外旅行で役に立つ表現集をフレーズごと覚えました。その後、本格的に英語を学び、TOEICテストのスコアも335点だったのが、1年で610点、さらに710点とあがり、勉強を始めて3年半で850点まで到達しましたね。850点から先はもう少し時間がかかりました。