日経リサーチは16日、セブン&アイ・ホールディングスが発行した電子マネー「nanaco(ナナコ)」に関するブロガーの評価を発表した。同調査は、ブログを企業のマーケティングに活用できるように開発されたブログ解析システム「blogVizセンサー」を使って実施したもの。キーワードに「nanaco」を含むブログを検索し、そのヒット件数(露出量)やコメントによる反響、そのブログでのコミュニケーションの密度を把握し、分析。また、同時にキーワードに対するブログ記事やコメントの文章を「ポジティブ」と「ネガティブ」に分類するなどした。
キーワードの露出量が急増したのは、nanacoのサービス開始のニュースリリースが出された3月27日の週と、サービスが開始した4月23日の週。3月27日の週の反応では「コンビニエンス最大手がついに電子マネーに参入することに対する期待感」が現れており、1カ月後の4月23日の週ではnanacoの利用報告や利用意向についての記事が多くみられたという。
サービス開始時には、賛否分かれた評価だが、その後は好意的な反応が増加している。好評だったのは「便利・小銭を持たなくていい」「入会が簡単・審査が不要」「ポイントがお得」「モバイルで利用できる」「(読み取り機にタッチした時の)音がかわいい」「(キャラクターの)キリンがかわいい」など。一方、不評だったのは「電子マネーの種類が非常に多く、一つにまとめてもらいたい」「ポイント交換時に1%の手数料が発生する」「オンラインチャージができない・レジでのチャージは面倒」などだった。
好評価の要因は「便利」が圧倒的に多く、不評の要因としては「nanaco単独の問題というよりむしろ、電子マネーの種類が多すぎる」ことによる利便性の低下に不満が集中した結果となっている。
nanacoと比較される電子マネーとしては、ほぼ同時期にサービスが開始されたイオン発行の「WAON(ワオン)」とビットワレットが運営する「Edy(エディ)」が上位にランクインした。ブログの文章からは、Edyを既に利用しているブロガーがnanacoに入会した報告や、nanacoへの入会を迷うコメントが多く見られた。また、携帯にnanaco機能を追加しようとしたところ、IC(集積回路)の容量が不足したためインストールができなかったといった報告もいくつか見られた。
記事については、ブロガーのネットワークからは電子マネーの顔ぶれが出揃ったという印象があったためか、各電子マネーの特徴のまとめや、今後の動向の予測が書かれたものが中心になったとしている。