2026年7月6日、生々しい宇宙映像がJAXAから発表されました。小惑星探査機はやぶさ2による、小惑星トリフネの画像でございます。すでに報道などでご覧になった方も多いかと思いますが、ここでは、私がどう楽しんでいるのかをお話いたします。
さて、まずはこちらです。はやぶさ2の「フライバイ探査(横を通り抜ける)」による、小惑星トリフネの画像でございます。ネタ元はJAXAのプレスリリースです。読みやすいのでこちらもぜひ
撮影プロジェクトについて知るだけで、ごはん3杯いけますわ
写真だけ見ると、フーンですが、この写真を撮影するための「フライバイ」の困難さはなかなか“萌え”でございます。そのあたりは、大塚実さんの記事を読む! ことにつきますが。なかでも萌えポイントは「ベストショット撮影のために、『数カ月前から』はやぶさ2の接近時刻を調整し、おなかに抱えたカメラを探査機の接近場所ごと調整したうえで、『10日前の』速度調整で、それを“秒単位”まで極めたうえで撮影したこと」ですな。
ターゲットは長さ800m程度。そこを相対秒速5.3km(東京-大阪間を約1分30秒で駆け抜ける速さですな)で飛行するはやぶさ2は、まさしく一瞬で通り過ぎます。
それも大塚さん開発のアプリで体験できます。最接近距離1kmにするとリアルな感じですよ。
しかも小惑星トリフネは周期5時間程度で自転している。ベストな向きにくる瞬間を狙わないといけない。萌えますなあ。いやほんと。この話を聞いているだけで、ごはん3杯はいける感じですな。あ、うん、個人の感想ですが、みなさんどうでしょう?
小惑星トリフネの写真、小惑星イトカワそっくりじゃないか!
さて、そうやって撮影された小惑星トリフネ、この名前は、公募で日本神話に登場する「天鳥船(あまのとりふね)」にちなんで決まったそうです。なお、トリフネが太陽を公転する軌道は地球の軌道と交差しており、地球と衝突する可能性がある小惑星に分類されます。
小惑星は、それを作る物質の性質によってわかれます。遠隔から小惑星の光をスペクトル分析することによってわかります。で、分類としてはS型というもので、これは Stony(石っぽい)から来ています。ほかにC、D、V、Xといった型があり、さらに細かく分類されます。
トリフネはS。石っぽい。まあフツーといえばフツーなわけでございます。全体で多いのはC型ですが、地球の近く、太陽よりの小惑星はS型が多いです。最初に発見されたS型は3番小惑星ジュノーで、1991年に初めて小惑星の近接写真が撮影された951番ガスプラ(大きさ18km)や、1993年観測の241番イダ(大きさ60km)、先代のはやぶさ探査機が観測したイトカワ(大きさ0.5km)もS型です。
ところで、そんなS型小惑星トリフネの大きさは、明るさの具合から、長辺0.8km、短辺0.4kmと、イトカワと同程度とわかっていました。さて、ではどんな姿なのか。
S型でも10km以上あるガスプラやイダは、クレーターだらけで、表面はしっかりした感じでした。一方500mくらいのイトカワは、がれきの山みたいな形になっていました。となると、イトカワみたいな感じじゃないか、と思ったら。
おい、想像以上にソックリやないかい! という感じでした。やはりクローズアップ写真を撮影する価値はあり、説得力も段違いという感じですな。
細かいことをいうと、イトカワもトリフネも、ピーナッツみたいに、二つの塊がくっついているような形をしています。実はハレー彗星や、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のように、石ではなく氷のかたまりの小天体も、似たような形をしていたのです。なんか、そういうくっついた天体(コンタクト・バイナリー:「接触・二重天体」というそうですが)が小型の天体では宇宙のスタンダードじゃないのという気もしますが、まだ例は少ないしどうなんでしょうね。
萌え要素もありつつ、超絶頑張った、はやぶさ2のおかげで、宇宙のワクワクが高まったというものでございますな。
ところで、はやぶさ2は、さらにもう一つ「1998 KY26」という大きさが30mほどと推定される小惑星の探査も行う予定です。予定ではランデブーし、さらにサンプル採取も行うというチャレンジをするのですが。はやぶさ2の燃料、エンジン稼働状況がかなり厳しく、今回のようなフライバイにせざるを得ないかもという話もあります。
こちらは多数の観測により、NASA JPLのチームがこんな感じではないかというコンピュータによる推定がされています。自転は11分程度と高速なので、がれきの山のような姿ではないのではないかということによるCG画像です。
さらに最近は、S型ではなく、X型小惑星(M型を含む大分類)で、表面がかなりキラキラしており、大きさは11m、自転は5分間! という研究発表もあります。
はやぶさ2の小惑星「1998 KY26」(符号のみで、名前はまだ付けられていない)探査は、だいぶ先の2031年。でもそんなすごい先ではないです。
ちょっと前には「これ、ソ連の月ロケットの残骸じゃね?」という発表もされたりしましたが、いったいなになのか? いやー楽しみですな。






