この半導体ニュースのまとめ
・エスペックがAI半導体市場向けに低電流導体信頼性評価システム「AMR-SPM」を発売
・先端パッケージングのマイクロビアやインターポーザー、マイクロバンプなどの接合部評価に対応
・10mA以下の低電流領域に特化し、1mA印加で1mΩレベルの低抵抗測定を実現
低電流導体信頼性評価システム「AMR-SPM」を発売
エスペックは、AI半導体市場向けの新製品として、低電流で微小抵抗変動を捉える低電流導体信頼性評価システム「AMR-SPM」を発売したことを発表した。
同システムは、先端パッケージング開発において重要性が高まっているマイクロビアやインターポーザー、マイクロバンプなどの微細配線・接合部の信頼性評価を支援する装置で、試料に過度な負荷を与えない微小電流を印加し、接合部などで生じる低抵抗変化を高精度に測定することで、接合材やプロセス条件が接続信頼性に与える影響を評価できるようにした。
先端パッケージングの微細配線・接合部評価に対応
生成AIの高度化や高機能デバイスの普及に伴い、半導体パッケージには高速化・高密度化への要求が急速に高まっている。
こうした要求に対応するため、先端パッケージングではチップレット実装や2.5D/3D実装の採用が進んでおり、再配線層の狭ピッチ化や多層化も加速している。その結果、マイクロバンプなどの接合部や配線構造は微細化・複雑化しており、従来以上に繊細な信頼性評価が求められるようになっている。
特に、接合部に至る微細配線へストレスを与えずに試験を行いながら、マイクロバンプなどに生じる微小な抵抗変化を高精度に捉えることが重要になる。AMR-SPMは、そうした評価ニーズに対応するため、低電流印加と高精度測定を両立する導体抵抗評価システムとして開発された。
1mAの微小電流で1mΩレベルの低抵抗測定を実現
AMR-SPMは、測定電流を10mA以下の領域に特化しており、1mAの微小電流印加で1mΩレベルの低抵抗測定を実現したことで、先端パッケージングにおける接合部や微細配線の小さな変化を捉えられるようにした。抵抗測定範囲は1mΩから10Ωで、測定方法には4線式測定を採用する。
抵抗測定誤差は、高精度モードでは1mΩで±0.7%以内、10mΩで±0.1%以内、100mΩで±0.05%以内。高速モードでは1mΩで±2.5%以内、10mΩで±0.5%以内、100mΩで±0.1%以内としている。
高精度モードと高速モードを切り替え可能
AMR-SPMでは、評価目的に応じて測定モードを切り替える使い方を想定しており、微小な抵抗変化を高精度に捉える「高精度モード」と、初期故障の挙動を捉える「高速モード」を用意。高精度モードでは、測定速度が40chで310秒以内、80~280chで620秒以内。高速モードでは、40chで24秒以内、80~280chで48秒以内としている。
これにより、長時間の信頼性評価で微小変化を精密に把握したい場合と、初期不良の兆候を短時間で確認したい場合など、評価目的に応じた試験条件の最適化が可能になる。
ベンチトップ化で設置性を向上
また、システムをベンチトップタイプとすることで、従来のシステムラックの場合と比べて、フットプリントを約60%、重量を約80%削減し、開発現場への設置を容易にしたとする。
さらに、評価サンプルや測定点数に応じて、測定チャネルを40chから280chまで40ch単位で拡張可能とした。チャネル制御は10ch単位で行えるため、評価対象に応じて柔軟に構成を変更できる。
試験中にワイブル解析を行えるソフトウェアを搭載
加えて、試験中の測定データをリアルタイムに反映し、ワイブル解析などを行える統計処理ソフトウェアを標準搭載。これまでは、試験終了後に測定データを取り出し、別途統計処理を行う必要があったが、同ソフトを活用することで、試験中にデータの傾向を確認しながら解析を進めることができるため、評価結果をより早く把握できるようになるとする。
低電圧絶縁信頼性評価システムも発売
なお同社は、AMR-SPMに加え、低電圧領域の絶縁劣化をより高精度に捉える低電圧絶縁信頼性評価システム「AMI-SPM」も新たに発売したことも発表している。
AI半導体や先端パッケージング領域では、高密度化に伴って導体間距離や配線構造が複雑化しており、導体抵抗だけでなく絶縁信頼性の評価も重要になることを受けて開発したもので、低電流領域の導体評価と低電圧領域の絶縁劣化の評価を組み合わせることで、先端パッケージの信頼性評価を多面的に支援することが可能になることを踏まえ、同社では今後も、技術革新が進むAI半導体市場向け製品・サービスの拡充に取り組み、信頼性向上や技術課題の解決につなげていきたいとしている。
