この半導体ニュースのまとめ
・キオクシアがAIアプリケーション向けSuper High IOPS SSD「KIOXIA GP1シリーズ」を開発
・第2世代KIOXIA XL-FLASHとPCIe 6.0により、512バイト単位で最大1000万ランダムリードIOPSを実現
・GPUからのダイレクトアクセスに対応し、HBMを高速フラッシュメモリで拡張するAIストレージ階層を提案
KIOXIA GPシリーズ最初の製品を開発
キオクシアは8月4日、AIアプリケーション向けにGPUによるダイレクトアクセスと、最大1000万IOPSの高速ランダムリードを実現するSuper High IOPS SSD「KIOXIA GP1シリーズ」を開発したことを発表した。
同シリーズは、PCIe 6.0およびNVMe 2.2に対応し、同社の低遅延フラッシュメモリである第2世代KIOXIA XL-FLASHを採用したSSDである。2026年3月に開発を発表した「KIOXIA GPシリーズ」の最初の製品と位置付けられる。
評価用サンプルについては、2026年末までに限定顧客向けにサンプル出荷を開始する予定としている。なお、本サンプルは機能評価用であり、量産時と仕様が異なる場合があるという。
HBMを補完するSuper High IOPS SSD
KIOXIA GP1シリーズは、高帯域幅メモリ(HBM)を高速なフラッシュメモリベースの階層として拡張する新たなAIストレージアーキテクチャに対応する製品に位置づけられる。
AIシステムでは、GPUやAIアクセラレータの性能向上に伴い、モデルデータや推論データ、コンテキストキャッシュなど、扱うデータ量が急増している。一方で、HBMは高い帯域幅を持つものの、容量拡張やコスト、実装面で制約がある。キオクシアは、HBMを増設する場合と比べて低コストで大規模データセットへアクセスできる高速フラッシュメモリ階層を用意することで、GPU利用効率の向上に貢献できるとしている。
同社は、6月に開催されたInterop Tokyo 2026でも、AIシステム向け新タイプSSDとしてKIOXIA GPシリーズを紹介していた。そこでは、HBMを補完するSuper High IOPS SSDとして、GPUとNVMe SSDの間で直接データアクセスを可能にし、GPUにおけるデータ移動を加速させる構想が示されていた。
512バイト単位で最大1000万IOPSを実現
KIOXIA GP1シリーズは、512バイト単位で最大1000万ランダムリードIOPSを実現する。AIワークロードでは、大容量データを順次読み出すだけでなく、GPUが必要とする小さなデータブロックへ低遅延にアクセスすることが重要となり、第2世代KIOXIA XL-FLASH技術を活用することで、そうしたニーズへの対応を図ったものとなる。
将来的には最大1億IOPSを視野
キオクシアは、KIOXIA GP1シリーズのアーキテクチャについて、現在の1000万ランダムリードIOPSから、将来的には最大1億IOPSを目指した拡張を視野に設計しているとしている。
同シリーズは、多様化するAIワークロードにおけるメモリ拡張ニーズを狙った製品群であり、単なる大容量SSDではなく、GPU主導の小粒度アクセスに対応することで、従来のストレージ階層とメモリ階層の間に新たな位置付けを築くことを目指す製品といえる。
E3.SとE1.Sをラインアップ、液冷にも対応
KIOXIA GP1シリーズは、フォームファクターとしてE3.SおよびE1.S 9.5mm/15mmがラインアップされており、E3.SおよびE1.S 9.5mmフォームファクターは空冷に加えて液冷にも対応する。すべてのフォームファクターで従来の空冷環境にも対応するとしており、AIサーバやデータセンターの冷却構成に応じた導入が可能となる。
耐久性については、最大50DWPD(Drive Writes Per Day)としており、高頻度アクセスや書き換えが発生するAIワークロードにおいても、高耐久性を確保することで、データセンター運用に求められる信頼性に対応する。
FMSで展示予定
なお、同シリーズは、2026年8月4日から6日まで米国カリフォルニア州サンタクララで開催される「The Future of Memory and Storage(FMS)」で展示される予定だという。
