この半導体ニュースのまとめ

・CXMTが2026年上半期の業績を発表
・売上高は前年同期比9.7倍の1503億元、最終利益は776億元
・競合他社に先駆けてLPDDR6の量産を開始、シャオミのスマホに搭載されることを発表

中国のDRAMメーカー「CXMT(長鑫存儲技術)」の決算が上海証券交易所を通じて発表された。それによると2026年上半期(1~6月期)売上高は前年同期比9.7倍の1503.1億元(約3兆6000億円)、最終損益は776.05億元(約1兆8000億円)の黒字で、前年同期の23億元の赤字から益転を果たした。

背景にはAI需要の拡大とメモリ価格の高騰があり、四半期別でも純利益が第1四半期の247.62億元(約5900億円)から第2四半期には528.43億元(約1兆3000億円)と伸びており、今後も成長が期待されている。

決算報告書にて同社は中国最大のDRAMメーカーとしての技術戦略を「世代飛躍型研究開発」と表現。すでに第1世代から第4世代のプロセス技術プラットフォームで量産を完了。製品ラインはDDR4/LPDDR4X、DDR5/LPDDR5およびLPDDR5X、LPDDR6に至るまで、幅広くカバーしていることを強調している。

LPDDR6の量産開始と発表、シャオミの折り畳みスマホに採用

また同社は8月29日、次世代低消費電力メモリ「LPDDR6」の量産を開始したと中国最大のソーシャルメディアプラットホーム「微博(Weibo)」にて発表した。

同製品は9月発売の小米(シャオミ)の折り畳みスマートフォン(スマホ)「Xiaomi 18 Fold」に搭載されるという。CXMTによると、LPDDR6の商用化は世界初で、中国半導体企業が高機能メモリ規格で世界に先駆けて量産を実現したのも初めてだという。データ転送速度は最大12800Mbps、1チップあたり最大16GBだという。

韓国メディアでは、韓国半導体業界の消息筋情報として、CXMTが前世代品の量産開始から1年余りで次世代品の量産を実現したスピードは無視できないとしつつも、歩留まりと供給能力が検証されていないとするほか、Samsung Electronics、SK hynixも同時期に量産に入る点を勘案すれば、今回の発表は韓国の競合と同等に見せるためのイメージ戦略だとの見方を示している。

HBM3Eの生産を開始し、中国企業2社が評価中か?

また米The Informationが、CXMTがHBM3Eの少量生産を開始し、Alibabaの半導体設計子会社T-Head(平頭哥半導体)とCambricon Technologiesが採用に向けた評価を開始したと報じている。

これは中国の自立的な半導体エコシステム構築に重要な意味をもたらす動きだが、生産規模、積層数、メモリ容量、帯域幅、消費電力などが不明で、正式発表もなされていない。公表されないのは、米国政府を刺激することを避けるためとの見方もある。

中国軍支援企業リストからの除外求めて米連邦地裁に提訴

さらに複数の海外メディアが同社が8月末、中国軍支援企業として米国防総省のリストに掲載されたことを不服として、同省を連邦地裁に提訴したと伝えている。

同社の主張は、民生・商用向けにDRAMの設計、製造、販売を行っており中国人民解放軍との関係はないというものであり、同リストからの除外などを求めているという。

同社は「中国軍事企業」にバイデン前政権下で指定されて以降、米国市場への参入が難しい立ち場にあり、最近でもAppleがCXMT製DRAMの調達を模索したが、価格交渉で折り合わなかったことに加え、米政府からの承認が下りなかったため調達が見送られたと言われている。米国半導体業界では、9月の米中首脳会談でこの問題を巡る協議が行われるとの観測が出ている。