この半導体ニュースのまとめ

・Micron幹部が、CXMTとYMTCが中国内需を中心に生産能力と市場シェアを拡大していることを認めた
・市場調査によるとCXMTはDRAM売上高シェアを8%、YMTCはNAND売上高シェアを13%とし、中国勢の存在感が高まっている
・Appleはメモリ調達コスト低減に向け、CXMTからDRAMを調達できるよう米政府に働きかけていると報じられている

Micron Technologyが好調な四半期決算を発表したことで、AIバブルに対する市場の懸念が和らいたが、同社エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)兼最高事業責任者(CBO:Chief Business Officer)であるスミット・サダナ(Sumit Sadana)氏が、中国の大手メモリメーカーの生産能力向上と市場シェアの拡大を認めたと、香港の英字メディアSouth China Morning Starが伝えている

6月24日の同社の説明会で、中国のDRAMメーカーChangXin Memory Technologies(CXMT)とNANDメーカーYangtze Memory Technologies Corp(YMTC)について質問された同氏は、両社が中国での消費を中心に生産能力と市場シェアを拡大させてきたと述べたという。同紙は、Micronが中国メモリメーカーの躍進を認識し、いずれライバルになりうると分析していると指摘した。

CXMTは従来型DRAMを手掛けているが、HBMを含め全般的にDRAMの供給がひっ迫しており、Micronでも2027年以降もメモリ全般で供給不足が続くと予想。こうした状況がCXMTに好機をもたらす可能性がある。

TrendForceによると、従来型DRAMの契約価格は2026年第2四半期に前四半期比58~63%上昇すると予想されるほか、NANDの契約価格も同70~75%上昇すると予測されている。同調査会社によると、DRAMサプライヤ大手各社は製造能力をHBMやサーバ向けにシフトさせているほか、NANDサプライヤ各社も製造能力をエンタープライズSSDにシフトさせているという。

こうした価格上昇は、CXMTの財務状況の改善にもつながる。Counterpointの調査によると、CXMTの世界DRAM売上高シェアは、2025年第1四半期の3%ほどから2026年第1四半期には8%に上昇したという。

CXMTが計画している新規株式公開(IPO)関連書類からも収益改善は見えている。同社の第1四半期売上高は508億元、純利益は330億元で、前年同期の赤字から収益を改善させており、上半期の売上高は1100億元~1200億元、純利益は660億元から750億元を見込むとしている。

一方のYMTCも、データセンター向けストレージの需要増加を背景に、Counterpointによると、同社の世界NAND売上高シェアを、2026年第1四半期に前年同期の8%から13%へと上昇させたとするなど、世界的なメモリ不足が中国メモリサプライヤにとっての事業拡大の後押しとなっている模様である。

Appleが中国製メモリの購入でトランプ政権に働きかけ

Appleは、メモリ価格の高騰から自社製品を値上げしたが、メモリ調達コストの低減に向けて中国軍の関連企業に米国防総省が指定(1260H)しているCXMTのDRAMを調達できるようホワイトハウスでのロビー活動を行っていると英紙Financial Times(FT)が6月27日付けで報じている

FTによると、AppleがCXMTをサプライヤとして利用すること自体は禁止されていないが、米中対立の中、CXMTが米国のエンティティリストに追加されず、厳しいライセンス規制の対象にならない確約を求めているという。

国防総省は、以前1260Hリストから除外したCXMTとYMTCを最新版で再び掲載している。ただし、1260Hは、国防総省との契約や政府調達を規制するが、民間取引を規制するものではない点に注意が必要である。