この半導体ニュースのまとめ
・2027年にCSPの設備投資の約7割をメモリコストが占める可能性をTrendForceが指摘
・理由はメモリ価格の高騰と搭載容量の増加
・中でもHBMの契約価格は2027年に70~140%上昇する可能性
TrendForceによると、世界の主要クラウドサービスプロバイダ(CSP)はAIインフラへの投資を加速させており、2026年の総設備投資額は前年比98%増、2027年にはさらに同50%増になると予測されるという。この急速な増加は、メモリ価格の高騰による調達コストの急増によるところが大きく、TrendForceでは、DRAMとNANDの合計金額が2026年にはCSPの総設備投資額の47%を占めるとするほか、2027年にはその割合が68%まで上昇すると予測している。
続くサーバ分野のメモリ契約価格の上昇
CSPにとって重要な調達カテゴリであるサーバDRAMの契約価格は、2025年下半期に64%上昇し、2026年にはさらに約270%の上昇が予想されるほか、NANDについても同様の傾向が見られ、エンタープライズSSDの価格は2025年下半期に約35%上昇した後、2026年も235%の上昇が予測されるという。
こうした契約価格の上昇に対し、2026年第2四半期以降に締結された長期契約(LTA)の中には、価格上限が設定されたものもあり、さらなる値上げを抑制できる可能性があるものも、HBMの契約価格は2027年に70~140%上昇する可能性があるとTrendForceでは指摘している
そのためTrendForceでは、2027年もメモリ契約価格はおおむね高水準を維持し、CSPの設備投資におけるメモリの割合を押し上げる重要な要因であり続けると予測している。
サーバ分野では要求されるメモリビット容量も増加傾向
価格上昇に加え、CSPからのメモリビット需要の急速な増加を受け、メモリサプライヤ各社は限られた生産能力をサーバアプリケーション向けに供給することを優先するようになっている。TrendForceの推計によると、2026年にはHBMとRDIMMを合わせたDRAMビット供給量が全体の51%を占める見込みだという。また、2027年には、プロセスの微細化と下半期における新規ファブの稼働に伴う生産能力の増強により、サーバDRAMとHBMを合わせたビット供給量は27%ほど増加すると予想されるとする。
2027年にはCSPの設備投資の約7割がメモリで占められる可能性
こうしたメモリ契約価格、中でもHBMの価格上昇とビット供給量の増加が重なることで、2027年のCSPの設備投資におけるメモリ割合は68%にまで高まることが予測され、その結果、AIエコシステムに2つの大きな影響を与える可能性があるという。
1つ目として、メモリコストの上昇は、NVIDIAなどのサーバおよびAIチップサプライヤにとって、製品価格を引き上げる正当な理由となりうることから、CSPは目標とするAIチップ調達量を維持するために、設備投資額をさらに増やす必要が生じる可能性がある点。2つ目は、CSPがAIシステムのメモリアーキテクチャをより積極的に最適化することで、システムあたりのメモリ容量の削減を進め、DRAMやNANDの高コスト化ならびに供給不足を緩和しつつ、AIチップとサーバの出荷目標を達成するというものとなる。
なお、こうしたシステムとしてのメモリを調整する手法としては、RDIMMの構成や将来のAIチップに統合されるHBMの量を調整するといった直接的な方法のほか、AIモデルのアーキテクチャをシリコンに直接組み込んだAI ASICを活用するなど、さまざまな手法が考えられるという。

