この半導体ニュースのまとめ

・SamsungとBroadcomがメモリ、ファウンドリ、先端パッケージングで協業を拡大
・Broadcomの次世代AIアクセラレータ向けにHBMなどのメモリを供給
・Samsungの2nm以下のプロセスと2.3D/2.5D統合技術を活用

Samsung Electronics(サムスン)とBroadcomは、次世代AIインフラを支えるメモリおよびファウンドリ技術分野で戦略的協業を拡大する覚書を締結した。

覚書は米国サンフランシスコで開催された「AI Summit」で発表された。両社は、メモリとファウンドリの両分野を合わせた協業規模が、2030年までの5年間で2000億ドルを超えると見込んでいる。

Broadcomの次世代AIアクセラレータ向けにHBMを供給

メモリ分野では、Broadcomが開発する次世代AIアクセラレータに向け、Samsungが高帯域幅メモリ(HBM)を含むメモリソリューションを供給する方向で協業を進める。

一方、AIアクセラレータでは、演算性能の向上に伴って膨大なデータを短時間で処理する必要があり、HBMの帯域、容量、電力効率がシステム性能を左右するようになっている。また、ハイパースケーラーによるカスタムAI半導体の開発拡大を背景に、アクセラレータとHBM、パッケージを一体で最適化する重要性も高まっている。

BroadcomはAIアクセラレータやネットワーク半導体を手掛けており、Samsungとの協業拡大によって、次世代製品に必要となる先端半導体メモリの調達と技術連携を強化することを狙う。

2nm以下のプロセスでBroadcom製品を製造へ

ファウンドリ分野では、Broadcomの無線ブロードバンド通信(WBC)ソリューションなどを対象に、Samsungの2nm以下の先端プロセス技術を軸とした協業を進めとする。

AIやネットワーク向け半導体では、演算能力や通信帯域の拡大と同時に、消費電力を抑えることが求められる。Samsungは、先端プロセスによるトランジスタ性能の向上と、メモリやパッケージングを含めた統合設計を組み合わせ、Broadcom製品の高性能化と低消費電力化を支援する。

今回の覚書は量産品や投入時期、具体的な製造プロセスを確定した契約ではないものの、Samsung Foundryにとっては、Broadcomとの協業を2nm世代以降へ拡大する方向性を示すものとなる。

2.3D/2.5D統合を含む先端パッケージにも協業を拡大

両社はファウンドリに加え、Samsungの2nmプロセスを基盤とした2.3Dおよび2.5D統合など、先端パッケージング技術にも協業範囲を広げる。

AI半導体では、ロジックダイと複数のHBMを同一パッケージに搭載し、広帯域かつ低消費電力で接続する必要がある。また、先端プロセスで製造する大規模なロジックを複数のチップレットへ分割し、パッケージ上で統合する構成も広がっている。

Samsungは、メモリ、ロジック、ファウンドリ、先端パッケージングを有する稀有な半導体メーカーであり、Broadcomとの協業では、HBMの供給だけでなく、そうしたロジックの製造からパッケージ統合までを一体で支援できる体制を生かす考えだ。

一方のBroadcomにとっても、AIアクセラレータやネットワーク半導体の性能向上に必要なメモリ、先端プロセス、パッケージングを横断してSamsungと連携することで、次世代AIインフラ向け製品の開発を加速できる可能性がある。

両社は、Samsungのメモリ・ファウンドリ技術と、Broadcomが持つAIおよび接続技術を組み合わせ、次世代AIインフラに向けた半導体の性能と電力効率を高めていくとしている。